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フィギュアスケートPRESSBACK NUMBER
「金メダルの最有力候補ですね」マリニンは米国記者の質問に“首を振った”…現地記者が目撃した“マリニンの異変”、戦略を変更していた「ミラノから車で…」
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野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byGetty Images
posted2026/02/15 17:03
フィギュアスケート男子シングルでまさかの8位に終わったマリニン
団体戦から個人へ…変えた戦略
今回の五輪では、当日の公式練習が夕方に設定されており、試合直前に選手村に戻って休憩をとる時間がない。そこでマリニンは、朝の時間帯に、ミラノから車で1時間のベルガモにあるリンクで練習。通常の試合のように、選手村で休憩してから、本番会場へ向かうスケジュールを組んだ。
「公式練習のスケジュールを聞いてタイトに感じ、本番前はベッドで休みたいと思いました。なので午前中に練習することにしたんです。それにブレードも研ぎ直していたので、スケートに慣れる時間、そしてリラックスして練習する時間が必要でした。団体戦とは違うアプローチで本番を迎えようと考えたのです」
昼間に休憩を取ったマリニンは、ショート本番、すべてのジャンプをきっちり決め、気迫全開の演技を見せる。演技後はガッツポーズ、キス&クライでは指でハートマークを作ってみせる余裕も。108.16点の高得点に、小さく頷いた。
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「団体戦のショートは、とにかく自分に『大丈夫だ』と言い聞かせていました。そして団体戦のフリーはミスが許されず必死でした。今日やっと気持ちが楽になり、自分らしい戦いを取り戻したという感覚です」
団体戦からの疲れについて聞かれると、こう答える。
「正直言って、疲れはありません。それにオリンピックの氷上で両方のプログラムを試したことで感覚が分かり、個人戦は異なるアプローチで臨んで、良い結果へ繋げられています」
米記者の質問「やはり金メダル最有力候補ですね」
すると米国の記者が「ここまで浮き沈みはありましたが、やはり金メダルの最有力候補ですね」と質問する。マリニンは首を横に振った。
「優勝候補であることは重要ですが、実際にやり遂げるかどうかは別の話です。先走りして『金メダルは確実だ』なんて言いたくありません。フリーに向けてどうやって最高の準備を出来るのか考えたいと思います」
中2日で迎えたフリー。決戦の夜が来た。
〈つづく〉

