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スキージャンプ会場で“まさかの異変”…なぜガッツポーズする選手が減った?「得点の確信が持てない」選手の本音…観客が盛り上がりにくい現状
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTsutomu Kishimoto / JMPA
posted2026/02/14 11:03
スキージャンプ会場で「選手のガッツポーズ」が減っている原因とは?
「やっぱり自分が思った点数と違ったっていうところじゃないですかね。
あのジャンプは追い風で、不利な中でしっかり飛べたと手ごたえがあったと思います。だからガッツポーズが出たけれど、そこまで点が伸びなかった。どうして点がもっともらえないんだろう、と感じたんでしょう。そのギャップが生まれるのは、データで追い風1mとなっていても、その中身が違うからです。同じ追い風1mでも、風の方向、上から吹き降ろしているのか、横からなのかといった風の具合など、異なっています。選手は敏感にそれを感じます。
小林選手のときは、おそらくデータ以上に不利な風であった、でもそれが反映されなかった、『あれ、案外伸びなかったな』と感じた。それがあの場面に表れたということでしょう」
採点が複雑…会場の盛り上がりにも影響が
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選手がすぐに得点を判断できない。当然、観る側も同じだ。
「会場のお客さんもそうですよね。僕が長野やソルトレイクシティオリンピックに出ていたような頃は、距離の出たジャンプにすごい盛り上がって、電光掲示板に数字が出てさらに盛り上がっていました。でも今のお客さんは、距離を出した選手に対して歓声をあげますが、その後一回、トーンが落ちる印象があります。電光掲示板に数字が出るまで分からないから、そういう反応になってきているんですね」
ガッツポーズをしない、できない。その背景を巡る話からさらに広がり、船木は2つの提言をする。
「小林選手もそうですが、不利な風の中でも、その中身に違いがあります。ほんとうに悪い風とそうでない悪い風、というか、悪い風の中にも強弱があって、それを捉えて点数に反映してほしいですね。そういう装置は開発できるはずです。
もう1つ、今は1位の選手も30位の選手も、そこまで距離が大きく変わらないような仕組みになっています」

