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スキージャンプ会場で“まさかの異変”…なぜガッツポーズする選手が減った?「得点の確信が持てない」選手の本音…観客が盛り上がりにくい現状
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTsutomu Kishimoto / JMPA
posted2026/02/14 11:03
スキージャンプ会場で「選手のガッツポーズ」が減っている原因とは?
選手自身も「確信が持てない」という本音
ジャンプにおける加点、減点は、「ウインドファクター」「ゲートファクター」により行われる。
ウインドファクターは、ジャンプに有利な向かい風の場合は減点、不利な追い風は加点される。ジャンプ台ごとに異なり、ミラノ・コルティナ五輪の会場は、追い風1mなら+13.50点、向かい風1mなら-9点とされている。
ゲートファクターは、スタートゲートの位置を1段下げるごとに与えられる。ミラノ・コルティナ五輪のノーマルヒルの結果を見ると、1段下げると4.6点加算されていることが分かる。審判団が飛びすぎる危険性から下げた場合はそのまま加点される。コーチや選手の判断で下げることもできるが、その場合はヒルサイズの95%以上の飛距離が出ないとプラスにならない。
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船木の解説に戻る。
「加点、減点が採用される前は、距離がだいたいはそのまま飛型点にも反映されますから、遠くへ飛べば、勝った、と分かる。だからいいジャンプができれば、選手はガッツポーズしていた。僕も、距離が出たときはすぐにガッツポーズするのは当たり前にやっていましたね。
でも加点、減点されるようになると、選手は実際に得点が表示されるまで確信が持てなくなる。ゲートファクターは選手も分かります。ただ風に関しては、自分が飛んだとき、追い風や向かい風は感じ取っても、じゃあどれくらい追い風だったのかは分からない。だから、『やった!』とすぐさま反応しにくくて、ガッツポーズも減ってきたんですね」
ガッツポーズした小林は、その後首をかしげた
ガッツポーズをする選手がかつてと比べれば減ってきた中で、男子ノーマルヒルの2本目、小林陵侑が着地した直後、ガッツポーズし、得点が出た後、控えめに首をかしげる場面があった。
