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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「衝撃の引退報道」その後…侍ジャパン合流のダルビッシュ有「契約破棄イコール引退ではない」「復帰を断言しない」曖昧表現の裏にある野球への思い
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/02/15 06:00
侍ジャパンのアドバイザーとして選手からの信頼も厚いダルビッシュ(写真は2023年宮崎合宿)
「自分としてはしっかりリハビリをやり抜き、心身ともに試合で投げられるなと思えばまた一から勝負したいなと考えています。今年に関してはペトコパークにも行ってリハビリもし、スプリングトレーニングにも少し行く予定です」
確かに再びメジャーで投げることを前提にしているわけではない。しかし、復帰しないこともまた前提にしていない。少しわかりづらいその言葉の背景には、ダルビッシュが野球選手として謙虚であり続ける姿勢がある。
ダルビッシュが「復帰」を断言しない理由
2015年に右肘のトミー・ジョン手術を受け、同年は全休。2016年にメジャー復帰した。手術とリハビリを1度経験しているからこそ、復帰への道のりが決して平坦な道ではないことは十分に理解している。
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リハビリを続ければ、100%メジャーに戻ることができる、以前のパフォーマンスを発揮できる。そんなに楽観的なプロセスではないことは、身をもって分かっている。だからこそ、メジャー復帰について慎重に言葉を選んでいるのではないだろうか。
12月には球団のチャリティーイベントに参加し、以下のように発言している。
「今は将来的にまた(メジャーで)投げることは、今のところは考えていないので、すごく(周囲には)複雑に聞こえるかもしれないですけども、今はそういう(メジャー復帰を前提とした)考えでリハビリはしていません。また自分が投げたいと思ったりとか、そういうステージ(メジャーのマウンド)に立てると思えば、また帰ってこようとすると思いますし、そういう状況です」
厳しい世界を知るからこそ…
復帰できるのか、またメジャーの打者を相手にできる実力に戻せるのか。現状では、分からない。それが、ダルビッシュの偽らざる本音ではないだろうか。
右肘の状態、精神力、闘争心。そのすべてが、噛み合えばまた勝負の場に帰る。逆に言えば、それらが自身の納得するレベルに達しなければ、戻るべきではない。中途半端な状態では通用しない、抑えられないことは認識している。メジャーで14年を過ごしたからこそ、厳しい勝負の世界は百も承知だ。

