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ジャッジでもトラウトでもベッツでもなく…WBC米国代表、じつは第1回も“超スター軍団”だった「日本戦で疑惑の判定」「2次L敗退の決定的要因」
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byGetty Images
posted2026/02/11 06:00
いち早くWBC参加を発表したジャッジなど超スター軍団のアメリカ代表だが……第1回のメンバーも綺羅星メンバーだった
〈第1ラウンド プールB〉
3月7日
●メキシコ0-2アメリカ〇
3月8日
〇カナダ8-6アメリカ●
3月10日
〇アメリカ17-0南アフリカ
初戦のメキシコ戦、アメリカはピーヴィが先発。3回を1被安打、わずか23球で零封。以後、ティムリン、コルデロ、ウィーラーなど6投手でメキシコを零封。バットはやや湿りがちだったがデレク・リーとチッパー・ジョーンズのソロで勝利した。カナダ戦は満を持してウィリスが先発するも3三塁打を浴びて3回途中5失点、ライター、マジェウスキーなども打ち込まれ5回表までに8-0とリードされる。5回裏にバリテックのホームランなどで6点を挙げるも試合は動かず、6-8で負ける。南アフリカ戦はクレメンスが5回途中58球1被安打零封、打ってはグリフィーJr.が2本塁打で快勝。南アフリカはわずか2安打だった。
日本戦ではデービッドソン主審の「疑惑の判定」も
〈第2ラウンド〉
3月12日 ●日本3-4アメリカ〇
3月13日 ●アメリカ3-7韓国〇
3月16日 ●アメリカ1-2メキシコ
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日本戦はピーヴィが先発するも2回までに3失点、アメリカは上原からチッパー・ジョーンズ、清水からデレク・リーが一発を打つなど追い上げ、日本の8回1死満塁での主審ボブ・デービッドソンの「疑惑の判定」もあって、辛うじてアメリカが勝つ。しかし翌日の韓国戦では、2回目の登板となったウィリスが3回までに3失点、グリフィーJr.のホームランなどで追い上げるも完敗。
負ければ敗退が決まるメキシコ戦では、クレメンスが5回途中まで73球を投げ自責点2と試合を作るも、打線はジョーンズ、フランクーアが2塁打各1本、グリフィーJr.が単打とわずか3安打1点に終わり、敗退が決まった。
WBCで絶不調→“潰されて”引退した投手も
各選手の成績を見ると、グリフィーJr.は21打数11安打3本塁打、打点は最多の10と気を吐き、Aロッドは21打数7安打3打点、ジーターは20打数9安打1打点とともに好調だった。
一方でドントレル・ウィリスが全くの不振で2敗したのが痛かった。打者ではテシェイラが15打数0安打。ウィリスはシーズンが始まっても不振が続き、以後、2005年のような投球は二度とできないままに引退する。シーズン前に、未調整のままでテンションを上げたことが影響したのではないかと言われた。
実はドミニカ共和国も、前年13勝を挙げたブレーブスの27歳、ホルヘ・ソーサがWBCでは不振に陥り、以後調子を上げることなく引退している。
2人のエース級投手が、WBCで「潰された」ような結果になったことで、MLB球団のオーナーは、特に投手についてはWBCへの供出に慎重になった。第1回のWBCは、日本の劇的な優勝で幕を閉じたが、春先の真剣勝負の「怖さ」をMLB関係者に知らしめた形になった。

