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「決してメンタルは強い方ではないです」ドジャース・山本由伸が語った“緊張との向き合い方”「緊張する局面で毎回思うのは、丁寧な生活と…」
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涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byNIKE
posted2026/02/04 06:00
都内で行なわれたトークショーで50分にわたり熱弁をふるったドジャースの山本由伸投手
「プレーする中で肩肘にちょっと悩みがあったんです。プロに入って一軍で投げた後に、張りが強いというか、痛みに近いような張りが出たり……そういうことが高校生の時からずっと気になってました。そこでいろんな病院の先生に会いに行ったんです。似たような答えが多い中で、今教わっている矢田先生と話した時に『この人だな』ってすごいピンときたんです」
ここまでは記事で読んだことがあった。だが、ここからが面白かった。
「ピンときたのもまあ感覚的じゃなくて、いろんな言葉で説明してもらい、自分の今までと照らし合わせて、すごい納得できたんです。僕がやっているトレーニングは、とても変わってるというか一般的ではなかったですけど、『これだ!』という確信が持てたので思い切り踏み込むことができた」
“迷い”はないけど、“ストレス”はあった
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他人とは違うトレーニングを選択することの不安や迷いもなかったというが、やはり周囲の視線は気になったようだ。
「やっぱり前例がなかったので、実践していく中でずっと“否定”されてきたんです。本当に否定され続けてきたーーそんな感覚だったので、迷いはなかったですけど、すごいストレスはありましたね。でも、目に見える結果が出始めて、何年か前に自分が思い描いてたものがちょっとずつ見えてきたので手応えはありました。それに否定していた人たちの指摘はすごく感覚的な否定だったので、自分の方がその情報について調べてると思えた。だからこそ迷わず、自分を信じることができたんです」
トークショーの中で「大リーガーになる、世界一の投手になるという大きな夢にどう近づいてきたのか?」と質問をされた際も、「目の前の小さな目標をひとつずつクリアしてきた」と地に足のついた、とても前向きな回答をしていた。だからこそ独自のトレーニングを貫く中で感じた「ストレス」という言葉が聞き手に響いた。
自分が信じてやっていることを、周囲から否定されるーー。どんなに強いアスリートでも気持ちが揺れそうになるのだろう。
そしてその否定を、自分自身で乗り越えたという山本の言葉を聞いていて、あるアスリートの顔が思い浮かんだ。
そう、大谷翔平だ。
北海道日本ハムファイターズ入団後、投打の「二刀流」に挑もうとする大谷を、どれだけ「否定」したか。そしてそれを強い信念と圧倒的な結果で、どう乗り越えてきたのかは、周知の通りだ。
山本由伸と大谷翔平。周囲の否定を乗り越え、野球選手として世界一の高みを目指すーー。ドジャースを牽引する日本人2人の、深い部分での共通点が見えた気がした。


