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「下級生には厳しくできなかったけど…」駒澤大“優しい”4年生たちの青春と箱根駅伝への執念「自分たちは三冠を経験した最後の世代だから」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byTadashi Hosoda
posted2026/01/09 11:01
全日本大学駅伝を優勝した駒澤大の4年生4人衆。左から佐藤圭汰、主将の山川拓馬、帰山侑大、伊藤蒼唯
山川はもともと気が優しい男だ。伊藤、佐藤、帰山も人にあれこれ厳しく言うタイプではない。Bチームにいた森重清龍だけははっきり言えるタイプだったが、言動に厳しさを見せていた先輩たちと、今の4年生を比較すると、下級生の指導という点においては、やや物足りなさがあった。
勝利にはとにかく貪欲
一方で、「勝つこと」に対しては、非常に貪欲な4年生だった。
4年生たちで「優勝するためには、どうしたらいいのか」とよく話し合っていた、と山川は明かす。
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「いつも熱く話していました(笑)。選手個人としては、絶対に勝つという気持ちと、勝つために自分が何をしないといけないのかを考えて、日々練習していくことが大事だな、ととらえていました。
4年生としては、いかに優勝に向けて下級生を引っ張っていけるかが重要だな、と思っていました。ただ、上からものを言うと、下級生の中にもそれは違うだろうと思う人もいるので、そういう人たちにも勝ちにいきたいと思わせるには、話を聞き、コミュニケーションを取っていかないといけない。そうして納得して、自発的に動いていくことが、チームとして勝つために一番大事なことだと考えていました」
コミュニケーションを取ることは、4年生が一貫して重視してきたことだった。なかには、なかなかうまく話ができない下級生もいるが、できるだけ声掛けをして一体感を高めていった。また、出雲で桑田駿介(2年)がブレーキした時は4年生が寄り添って、一緒に走ったり、話をするなどしてメンタルの回復に力を合わせた。
自分たちは三冠を経験した最後の代
なぜ、そこまで勝ちにこだわりつづけたのか。
「今の駒澤で自分たちの代が唯一、三冠を達成した世代だからです。だから勝ちにこだわるという気持ちが、他の世代よりも、他大学の選手よりも強いのかなと思います」
その想いが全日本大学駅伝での優勝に繋がった。
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