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井上尚弥「集中力を欠いた」発言の真意…元世界王者・飯田覚士が感じた最終ラウンドの”異変” 井上vs中谷の見解は?「ほぼ互角と言ってきましたが…」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi
posted2025/12/31 17:02
アラン・ピカソの挑戦を判定ながら3-0で圧倒的勝利を収めたものの試合後の表情は冴えなかった井上尚弥
「ここまで“ほぼ互角”と言ってきましたが…」
ひと呼吸置いて飯田は言う。
「これまで『ほぼ互角』と言ってきましたが、今回の試合を見るとあくまで現時点では尚弥チャンピオンが有利だと感じます。指標の一つとなるのが、パンチのもらい方。尚弥選手は相手の力も分かったうえで“これくらいなら”という感じでもらっていましたが、中谷選手は勝負で打ちにいったなかでエルナンデス選手のパンチを浴びている。これは大きな差です。というのはそれが尚弥選手の倒しに行くパンチだったら、かなりのダメージを受ける可能性がありますから。逆に今の尚弥選手は、そういったパンチをもらわない。次のビッグマッチが予定どおりならあと5カ月しかありません。いくら偶然のバッティングとはいえ中谷選手が右目を腫らしたのも良くなかった。スーパーバンタム級の階級については何も問題ないと思うので、この5カ月間、尚弥選手以上に集中力を高めて、仕上げていく必要があると思います。両者の素晴らしい戦いを考えると今からワクワクしています」
サウジアラビアでの一戦を、お互いにどう己の肥やしにできるか。世界も注目するパウンド・フォー・パウンドランカー同士によるビッグマッチを制すための大きなカギとなることは言うまでもない。
<前編から続く>

