「ナカタニとの試合を今すぐ見たい気持ちは薄れた」井上尚弥vsピカソ戦を見た英国記者の言葉の真意は？ 「イノウエにはまずフェザー級に上げて欲しい」 

　だからこそ、KOがなければ物足りなく映る。しかし、それは評価軸の問題だ。期待通りであること自体が、すでに異常なレベルに達している。それが、ファレル氏の一連の評価から浮かび上がる井上の現在地だ。

　一方で、ピカソ戦を前に井上が口にした「中谷（潤人）戦はどうなるかわからない」という趣旨の発言は、大きな波紋を呼んだ。井上対中谷は、日本ボクシング史上最大級のカードであり、世界的な注目度も高い。

　実際に井上自身は「試合に前向き」だという。あくまでも大橋秀行会長の交渉次第だが「今夜お互い無事に勝利できたということで、交渉していきたい。期待していてください」。

井上vs中谷は…「今すぐ見たい気持ちは薄れた」？

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　だがファレル氏は、ここでも冷静な視点を示す。

「この試合が壮観になることは疑いようがない。ただ、リヤドでの両者のパフォーマンスを見ると、今すぐそれを見たい気持ちはやや薄れた」

英国メディアから見ても評価を下げる結果となった中谷　©Naoki Fukuda

　中谷は新階級初戦となったセバスチャン・ヘルナンデス戦で勝利したが、5回以降はフルサイズの122ポンド級ファイターからの圧力に苦しんだ。

「勝つための仕事はしたが、118-110という採点は論外だ。イノウエがスーパーバンタム級のキャリア全体で落としたラウンド数と同じか、それ以上を一晩で失っていた」

　一方で井上は、2023年の階級アップ当初にあった「体格的に厳しいのでは」という懸念を完全に払拭し、スーパーバンタム級に“賢く、完全に適応した男”に見えるという。

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