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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「中谷が負けていたよね?」元世界王者が見たリヤドの衝撃…中谷潤人苦戦の要因は?「はっきり言うと、中谷vs井上戦の期待値は下がった」
text by

杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi
posted2025/12/31 11:02
不運とはいえ、今まで見たことのないほど瞼を腫らし、判定も見方によっては敗れていても不思議はなかったという中谷の苦戦のわけは?
1試合だけでパワーレスとは断言できないが、気になったのは中盤以降に続いた接近戦。試合中にルディ・トレーナーからずっと指示されていた「2発を打って、回れ」という動きができていなかったという。前の手で相手の勢いを止められず、回ろうとしても打たれる。
さらにくっついてクリンチしようとしても、簡単にほどかれた。25年6月、バンタム級の2団体統一戦で西田凌佑をフィジカルで圧倒し、クリンチ際で力強さを見せていたのが嘘のようである。9回には押し負けて、後退を強いられるシーンもあった。
「相手のうまさもありますが、クリンチの半分はパワー。『力負けしていた』と言われても仕方ない部分はあるのかなって。潤人にとって、エルナンデスはやりにくいタイプでしたが、スペシャルな選手ではなかった。これがスーパーバンタム級。相手は潤人より長身でがっちりしていたし、これまでの体格的な有利はなくなりました」
中谷の評価は落ちたと言わざるを得ない
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終盤に右目をはらす中谷の顔を初めて見た伊藤は険しい表情を浮かべ、評価を落とした試合と言わざるを得ない、という。26年5月に井上尚弥とのビッグマッチを見据えれば、たとえ判定勝利であっても、圧倒的な強さを見せることが前提だった。
「僕は本音でしか話せないのではっきり言いますが、井上−中谷戦への期待値は下がりました。『破壊神』同士が戦う雰囲気ではなくなったのかなと。もちろん、間違いなく見たいカードですし、いざ両者が東京ドームで戦えば、観客席も埋まり、面白い展開になると思います。それでも、ファンのみんなは、無双している2人がぶつかるところを求めていたはずです」

