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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「中谷が負けていたよね?」元世界王者が見たリヤドの衝撃…中谷潤人苦戦の要因は?「はっきり言うと、中谷vs井上戦の期待値は下がった」
text by

杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi
posted2025/12/31 11:02
不運とはいえ、今まで見たことのないほど瞼を腫らし、判定も見方によっては敗れていても不思議はなかったという中谷の苦戦のわけは?
ただ、これで中谷の勝機がほぼ消えたかといえば、そうでもない。伊藤は西田戦後に、井上に対して「中谷の勝率は40%くらい」と予想していたが、30%まで下がった程度と見ている。頑丈なエルナンデスに効かなかったパンチが、そのまま井上に通用しないわけではない。
「潤人の一発が当たれば、KOもあると思っています。アッパーで削りながら、ノーモア(ストップ)に持っていくパターンもあるかもしれない。最近の試合を見ていれば、井上選手は被弾もあり、打たれ強いとは言い難い。潤人の強いパンチが顎に入れば、分からないと思いますよ。ピカソにもらっていたフックも、仮に潤人の一撃だったらどうかなって。井上選手も人間なので失敗することはあります。それでも、潤人の判定勝利は想像しにくいですけどね」
ドリームマッチの“その後”はどうなる
プロモーターの視点で見ると、懸念されるのはドリームマッチのその後のキャリア。無論、“モンスター”に勝てば一気にスターダムにのし上がるが、負ければ茨の道が待っている。すでに評価の下がっている状態で初黒星までつくと、商品価値はがくっと落ちる。
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「潤人は世界6階級制覇を成し遂げたマニー・パッキャオのような存在になるんじゃないのか、という期待感がありますから。スーパーバンタム級でつまずくと、“異次元の人”ではなくなる。再出発は厳しい道のりになるでしょうね。いまでも十分に実績は残しているし、すごい選手なのですが、そこが難しいところ」
セミファイナルが終わっても、仲間うちで中谷−エルナンデス戦の話で持ち切りのところに、メインイベントとなる井上−アラン・ピカソ(メキシコ)戦のゴングが鳴った。
〈全2回の1回目/つづく〉

