英国人記者も驚いた…中谷潤人なぜ大苦戦？「パンチが効かないなんて…」井上尚弥戦へ改善すべき“悪癖”「ナカタニは時々、リスクを取りすぎる」 

　今回の一戦で、スーパーバンタム級でのナカタニに“階級の壁”が存在すると考えるのは早計過ぎる。まだ1試合だけだし、私には、エルナンデスが想像以上に優れていたように見えた。このサンプルだけで、『この階級でパワーが通用しない』とは言えない。相手のスタイル次第だし、ナカタニがあれだけ当てても効かなかったのは、単にエルナンデスが異常にタフだった可能性が高い。もう一度見てみたいが、スーパーバンタム級での次の試合が“最強の相手”になるのだとすれば厳しい条件ではある。

　エルナンデス戦は消耗戦だったが、イノウエ戦が実現するとすれば、まったくスタイルが違い、純粋なボクシングの戦いになる。個人的にも12月27日の前からイノウエが有利だと思っていたが、今はさらにその差が広がった感がある。私はイノウエが勝つと思っている。

右上を大きく腫らしながらも、判定勝ちを収めた中谷潤人　©︎Naoki Fukuda

「東京ドームにまっすぐ向かうべき」

　特にナカタニが相手なら、ピカソ戦のようにイノウエが「退屈する」ことはない。彼はそういうタイプのボクサーだ。舞台が大きくなればなるほど、最高のナオヤ・イノウエが出てくる。スティーブン・フルトン戦を思い出してほしい。今となっては簡単に勝ったように記憶しているが、当時は試合の行方について意見が割れていた。フルトンは当時絶好調だったが、イノウエは彼を完膚なきまでに叩きのめした。今回、ナカタニとの日本人決戦が実現するなら、イノウエが燃えないわけがない。

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　とはいえ、ナカタニも東京ドームでの決戦にまっすぐ向かうべきだという私の考えに変わりはない。イノウエとの対戦前に、スーパーバンタム級でのさらなる調整試合を挟むべきだとは思わない。今準備ができていないなら、もう1試合しても同じだ。もう1戦行ったとして、2〜3ラウンドでKOするかもしれないし、また激闘になるかもしれない。それがイノウエ戦に関係するとは考えられない。だからこそ、ナカタニはサイコロを振る（賭けに出る）しかない。

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