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「普通はもういいだろうと思うでしょうね」難病に冒されDeNA戦力外の剛腕・三嶋一輝はまだ折れない…“生きている”実感求め「最後までもがく」
posted2025/12/29 17:03
難病の手術から、球速は150kmにまで戻ってきた。現役続行を諦めない三嶋に朗報は届くだろうか
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Hideki Sugiyama
ベイスターズ投手陣を長く支えてきた三嶋一輝、35歳。構想外を告げられたものの、あくまで現役続行を目指す理由とは。穏やかだがどこまでも負けず嫌いな男が、現在の胸中を語り尽くした。〈NumberWebインタビュー全3回の3回目／はじめから読む〉
黄色靱帯骨化症という難病を乗り越え、一時は一軍で勝負できるほどビルドアップすることができたが、その後、先細りになってしまった感は否めない。年齢的な問題もあるかもしれないが、病と自身のコンディションの因果関係において、なにか気づいたことはあるのだろうか。そう問うと三嶋はしばし考えを巡らせ口を開いた。
難病からの復帰にやれることは全てやった
「いや、正直わからないんですよ。自分でも以前よりもパフォーマンスが落ちたってことを理解した上で、できるだけの準備や自分のやれることっていうのは、とことんやってきた自負があります。とくに病気から復帰した後は、休むことなく野球のことだけを考えて過ごしてきましたからね」
黄色靱帯骨化症からの復帰のプロセスは未知のものである。三嶋は手探りでいろいろなことにトライした。時には参考になればと後輩の今永昇太（カブス）を通し、山本由伸（ドジャース）に意見を求めたこともあった。
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「それでも結果が出なかったということは、自分が今持っている技術や能力というのが及ばなかったということです。だから悔しいというよりも、打たれると、やられたなって。今はこんなもんなのかって正直、認めちゃった部分はあるんですよ」
少しだけ表情の影が濃くなった。でも心は折れることはなかった。構えた拳を三嶋はまだ下ろしてはいない。
普通は、もういいだろう、って思う
「年齢的にも成績を見ても、普通はもういいだろうって思うんですよ。僕が引退すると思っていた人もたくさんいたでしょう。でもね、何かやりたかったんですよね」
おだやかに三嶋は言った。
