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開幕投手→先発失格→クローザー、難病との戦い「全部やった」…前DeNA三嶋一輝が構想外から現役続行めざすわけ「嫁さんが“もっと粘って”って」
posted2025/12/29 17:02
先発からリリーフに転向し、2020年、21年にはクローザーも務めた三嶋。再びその勇姿をNPBの舞台で見ることはできるのだろうか
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Hideki Sugiyama
2012年、DeNA体制初のドラフト会議で、2位指名を受け、法政大学から入団。ルーキーイヤーはローテの一角として先発を任され規定投球回数をクリア。6勝9敗という成績を収め、将来を嘱望される存在になった。
開幕投手に抜てきされるも……
2年目の2014年には栄えある開幕投手に抜てきされるが、立ち上がりで大量失点を喫し、期待を裏切ってしまう。以降、チャンスをもらうのだがコンディショニングが整わず、2017年までの長きに渡り低迷してしまう。「もう三嶋は終わった」と、陰口を叩かれることもあった。
捲土重来は2018年。前年の終盤に先発からリリーバーへと配置転換され、本人の努力もあり、これが見事にはまった。ブルペンに入った三嶋は水を得た魚のように躍動し、ビハインドからロング、火消しまでどんな役割であっても堂々と投げ抜き60試合7勝5敗15ホールドをマーク、さらに2019年には勝ちパターンに食い込み71試合5勝4敗23ホールドという成績を挙げ、ブルペンになくてはならない存在になった。
リリーフで復活、クローザーにまで
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そして2020年、守護神の山﨑康晃が不調に陥り、代わって三嶋がクローザーを務めることになった。この年は18セーブ、翌年には23セーブを挙げ、その地位を確立した。
投手失格の烙印が押されてしまうギリギリの状況で復活し、ついにはクローザーまで上り詰めた三嶋だったが「たまたま僕が9回を投げているだけ。他のリリーフ陣もスポットライトを当ててほしい」と、仲間を慮る姿勢を見せていたのが印象的だった。

