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“凱旋門賞より遠い”BCクラシックを制覇…フォーエバーヤング“年度代表馬の可能性”を考察「じつはアメリカでも議論に」「JRA未出走は過去一例のみ」 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2025/12/27 11:03

“凱旋門賞より遠い”BCクラシックを制覇…フォーエバーヤング“年度代表馬の可能性”を考察「じつはアメリカでも議論に」「JRA未出走は過去一例のみ」<Number Web> photograph by Getty Images

BCクラシックを制したフォーエバーヤングをねぎらう坂井瑠星。有馬記念では同馬主・同調教師のシンエンペラーに騎乗する

じつは異論もあった“JRA未出走”の年度代表馬

 議論になったのは、日本の競馬場では走らず、遠征先のフランスに長期滞在して4戦し、GIのサンクルー大賞とGIIのフォワ賞を制し、凱旋門賞で「勝ちに等しい」とまで言われた2着になったエルコンドルパサーが1999年の年度代表馬に選出されたときだ。

 この年は、同世代のスペシャルウィークが春秋の天皇賞とジャパンカップを、グラスワンダーが宝塚記念と有馬記念を勝っており、3頭のうちどれが年度代表馬になっても不思議ではないと言われていた。最初の投票ではスペシャルウィークが1位だったが過半数に満たなかったため選考委員会で審議され、エルコンドルパサーに決まった。スペシャルウィークとグラスワンダーには特別賞が与えられた。

 個人的には、目の前でGI中のGIと言えるレースを3勝したスペシャルウィークで文句なしと思っていたので、この決定には驚いたと同時に、首を傾げざるを得なかった。宝塚記念、有馬記念と、グラスワンダーとの直接対決で2連敗したことも、投票する記者の心理に影響したのかもしれない。

今年の年度代表馬を考察…有馬記念を走る候補馬は?

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 では、今年はどうなるのか。

 エルコンドルパサーの時代は「遠い異国」での活躍という感覚だったが、四半世紀を経た今は、サウジカップやドバイワールドカップはもとより、BCの各部門も、日本のトップホースにとって現実的なローテーションに組み込まれている、という感覚になった。

 一頭だけ特別なことをしたわけではなく、フォーエバーヤングは、どの日本馬も試み得るチャレンジのなかで結果を出した。

 どちらが上とか下とかではなく、エルコンドルパサーとは別種の評価が当然なされるべきだろう。

 他馬に目を向けると、もっかのところ今年GIを2勝したのは桜花賞と秋華賞を制した牝馬二冠のエンブロイダリーと、安田記念とマイルチャンピオンシップを勝ったジャンタルマンタルだけだ。それぞれ最優秀3歳牝馬と最優秀マイラーの座は当確だが、年度代表馬に投票する記者はほとんどいないだろう。

 有馬記念を勝てば今年のGI2勝目となるのは、エリザベス女王杯を勝っているレガレイラと、ドバイシーマクラシックを完勝したダノンデサイル、皐月賞を勝ったミュージアムマイル、宝塚記念を制してグランプリ連覇がかかるメイショウタバル、クイーンエリザベス2世カップを勝ったタスティエーラの5頭だ。

【次ページ】 「フォーエバーヤングにエクリプス賞を」米でも議論

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