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今井達也アストロズ電撃合意、高橋光成や則本昂大は…「メジャーで通用する、しない先発」日本ハム復帰・有原航平ら“打たせて取る”型は厳しい?
posted2026/01/02 11:04
西武からポスティングでメジャー移籍を目指す高橋光成と今井達也。過去の傾向から見ると、どんな未来が見える?
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広尾晃Kou Hiroo
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JIJI PRESS
ポスティングを利用してMLB移籍を目指していた西武の今井達也が、45日間の交渉期限が迫る中で、アストロズと3年総額5400万ドル(約84億7800万円)で電撃的に契約合意した各スポーツ専門局で報じられた。西武で今井と同僚だった高橋光成もポスティングで、則本昂大が海外FA権でのMLB移籍をめざしているが――山本由伸の今シーズンとポストシーズンの大活躍で、NPBの投手の評価がまた上がったように思う。
ここ2年、DeNAのローテを維持したアンソニー・ケイがホワイトソックスと2年1200万ドル(約18億円)3年目オプション1000万ドル(約15.6億円)の契約を結んだのも、NPBとMLBの投手成績に「交換レートがある」という評価からだろう。
MLBで重要視される「2つの投手指標」
しかし、NPBで活躍した投手がそのままMLBで通用すると言うわけではない。MLBで通用する投手には一定の傾向があるのだ。
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MLBでは以下2つの指標が重要視される。
・K9(SO9)
・K/BB(SO/BB)
K9とは9イニング当たり何個の三振を奪ったかの指標で、「奪三振率」とも言われる。「9」を超えればパワーピッチャーだとされる。K/BBは「奪三振数÷与四球数」。投手にとって奪三振は、振り逃げ以外で走者を出すことがない最も安全なリザルトだ。一方で与四球は、打者を絶対にアウトにできない最も残念なリザルトとされる。シンプルな指標ながらK/BBは、MLBでは安定感がある投手の証として最重要視されている。「3.5」以上あれば、エース級と言ってよい。
ただ日米問わず、K9やK/BBが低くても好成績を残す投手がいる。走者を塁に出しながらも、粘り強く打者を打たせて取るタイプ。一般に「イニングイーター」と言われるタイプの「好投手」もいるのだ。以下、2012年以降にMLBへと移籍した先発投手のNPB、MLBでの通算防御率、K9、K/BBの数字を並べてみる。★マークは防御率3点未満、K9は9以上、K/BBは3.5以上。K9はKと略した。
・2012年
ダルビッシュ有
(日本ハム→レンジャーズ)
NPB 防:1.99★ K:8.87 K/BB:3.75★
MLB 防:3.65 K:10.50★ K/BB:3.69★
岩隈久志
(楽天→マリナーズ)
NPB 防:3.25 K:6.86 K/BB:3.44
MLB 防:3.42 K:7.27 K/BB:3.86★
パ・リーグのエースとして君臨した両投手。ダルビッシュは奪三振率も高く圧倒的な防御率だったが、メジャー移籍後、奪三振率はさらに向上し、屈指の好投手になった。岩隈はどちらかと言えば「イニングイーター」だったが、MLB移籍後はK/BBを向上させ、ノーヒットノーランを記録するなどマリナーズのエースとして活躍した。

