ボクシングPRESSBACK NUMBER

井上尚弥にTKO負けから7カ月…カルデナス衝撃KO「もう誰も怖くない」じつは試合後に話していた“秘策”「なぜ中谷潤人とスパーを?」 

text by

杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

PROFILE

photograph byDaisuke Sugiura

posted2025/12/24 11:02

井上尚弥にTKO負けから7カ月…カルデナス衝撃KO「もう誰も怖くない」じつは試合後に話していた“秘策”「なぜ中谷潤人とスパーを?」<Number Web> photograph by Daisuke Sugiura

復帰戦をKOで飾ったラモン・カルデナス(30歳)

 すでにベテランと呼べる年齢のボクサーでも、キャリアの中では転機になりえる試合はあるものだ。現役最高級のボクサーと対戦し、一歩も引かない戦いぶりでベガスのファン、関係者を驚嘆させた。あれほどの選手は世界中を探してもそれほどいるわけではないし、これから先も対戦するかはわからない。もともと成熟した聡明さを持っている選手ではあるが、井上戦でカルデナスは新たな手応えを得たのだろう。

「私は絶対に、“ああ、この選手には勝てない”なんて言わない。絶対にだ。だからこれを穿いているんだ。これが私のモットーだ」

 そう話したカルデナスは、そこでトランクスを少しめくり、ノーファールカップに施された日本語の刺繍を見せてくれた。そこに記されていたのは、“大胆不敵”というフレーズ。この新たなモットーとともにロブレス戦でKO勝ちを飾り、まずは順調な再スタートを切った。井上戦後、新たに組み始めたマニー・ロブレス トレーナーが納得した様子だったのも印象深い。

ADVERTISEMENT

「勝つことよりも、どう勝つか。どうやって成し遂げるかだ。今夜、ラモンはしっかりと爪痕を残した。いい印象を残した。それがすべて。次に進むだけだよ」

 同階級のタイトルはすべて井上が保持しているだけに、“次”が世界につながる舞台になるかはわからない。それでも、焦りも迷いも感じられず、またチャンスが来るまで“大胆不敵”に誰とでも戦い続ける。“モンスター”と対峙した経験を糧に、カルデナスの行く手にさらに明るい未来が開けてきている。〈つづき→後編

#2に続く
「井上尚弥と中谷潤人どっちが強い?…それは言いたくない」井上尚弥に負けたカルデナスが衝撃KOで再起「ジュントは最高のスパー相手だったよ」

関連記事

BACK 1 2 3
#ラモン・カルデナス
#井上尚弥
#中谷潤人

ボクシングの前後の記事

ページトップ