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プレミアリーグの時間BACK NUMBER
「げっ!」鎌田大地8~10週間離脱に“Fワード”で嘆くロンドンっ子…加入直後「かなりイマイチ」→「アイラブ・ダイチ!」手のひら返しのナゼ
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山中忍Shinobu Yamanaka
photograph bySebastian Frej/Getty Images
posted2025/12/20 17:02
強豪ひしめくプレミアリーグで上位争いをするクリスタル・パレス。鎌田大地は主力として力を発揮している
昨季プレミア王者相手に2-1で勝利した一戦で、「個」として目立っていたわけではない。だがパレスのサポーターたちは、統率のとれた守り、タイミングも鋭いプレッシング、迅速かつ効果的な攻撃といった、機能しているチームの特長を体現するかのような鎌田の「味」に気付いていた。
インターセプトから狙った一気のスルーパスは、開始早々の7分。キックオフから敵のボール支配を眺めていたホーム観衆が、初めて沸いた。前半終了間際には、自陣内で奪い返したボールを、1対2の状態でも巧みな足裏コントロールでキープして味方へ。
「イェーィ!」
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スタンドからは、こう歓声が上がった。
タックル連発→判定に不服そうな姿にファン歓喜
後半には、立て続けのタックルでファンを喜ばせもした。リバプール中盤のプレーメイカー、ライアン・フラーフェンベルフへのチェックと、スライディングタックル。いずれもファウルを取られたが、倒れた相手を尻目に、判定が不服そうにも見えた鎌田の姿は、「12人目」の眼にも頼もしく映ったことだろう。後半29分までは2ボランチ、以降は2シャドーの一角でプレーした鎌田は、観衆の拍手でハードワークを労われながら、同アディショナルタイム1分にピッチを下りた。
欧州カンファレンスリーグを含めた公式戦で、パフォーマンスにムラがないあたりも確かな実力の持ち主である証拠だ。
12月に入ってもフルアム戦でフル出場した鎌田の貢献度は高かった。先制点を引き出すボックス内へのラン。スルーパスで決勝点につながるCKを得るなど、2-1の勝利に間接的に寄与していたからだ。
「始めはかなりイマイチだったが」「来季ぜひ残って」
それだけに、リーグ戦14試合連続の先発となった、翌週のマンチェスター・シティ戦でのハムストリングスの怪我が惜しまれる。チームが0-3と珍しく力負けしたシティ戦でも、怪我の不運に見舞われるまでの67分間は悪くなかった。そんな鎌田に対して……。
「I love Daichi!」
こう賞賛するのは、知り合って31年になるウェールズ人一家の娘婿である。ロンドン南東部に住む友人自身はラグビー派だが、周りには熱心なパレスファンが多い。そこで、日本人に気を遣って褒める必要はないとしたうえで、何人かに鎌田評を訊いてもらったのだった。

