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「箱根駅伝では、実績だけの選手は通用しない」原晋監督がズバリ明言…王者・青学大の“選手選考に隠されたヒミツ”とは?「人間は数値だけではわからない」
text by

原晋Susumu Hara
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/01/02 06:02
青学大・原晋監督が明かす“選手選考のヒミツ”とは?
選択基準には、選手が走る姿を見たときに私が感じとったことも付加します。ゴールした選手はさまざまな表情を浮かべます。すべてを出し切ったように立ち止まって、息を切らす選手はいっぱいいっぱいの状態に映ります。逆にゴール後も余裕の表情ですぐにクールダウンに移る選手からは状態の良さを感じます。どちらがいいというわけではないのですが、そこで感じた印象も選択基準になります。ハードな練習をした翌日の朝の動きもチェックします。ウォーミングアップから体にキレがあるのか、体が重そうに見えるのか。それは、そのまま選手のメンタルを表しています。
こうしたさまざまな要素から最終メンバーを選んでいます。選手を数字だけで選んでしまうと、結果が出ないことがよくあるのです。
「箱根駅伝では、実績だけの選手は通用しない」
もちろん、タイムを優先して選ぶ監督もいます。スポーツの世界では、過去の成績、積み上げてきた実績から、調子を落としていてもメンバーに選ばれる選手もいます。レースによっては、その豊かな経験が生きることがあるのも事実です。しかし、その判断でつまずく監督はたくさんいます。
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やはり、過去の実績は、あくまでも過去の話。その実績だけを見て、今を見ずに「こいつならやってくれるだろう」と信頼してしまいがちです。しかし私は、やってくれるだろうは“だろう”で終わる、と思っています。どんなに過去、結果を出していても、現時点で故障明けのような状態では能力は発揮されません。特に箱根駅伝のようなレベルの高い大会では、過去の実績だけで選ばれた選手は通用しないものです。
