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「いまはW杯どうこうではない…」2カ月半の沈黙…ブライトン三笘薫(28歳)は復帰戦で何を話したか?「ケガは左足首」「まだコンディションが戻りきってない」
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田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2025/12/18 17:24
12月13日のリバプール戦。じつに2カ月半ぶりの復帰戦となった三笘薫(28歳)。試合後に何を話したのか?
三笘という選手は、極めてストイック、かつ真面目である。プレー以外で目立つことをひどく嫌う。パフォーマンスや結果を出していない状況なら、多くは語らないだろうと思った。
列車に揺られながら質問候補がいくつか浮かんだが、ひとつに絞った。「怪我をしてから、復帰までの期間は長かったと思います。リハビリ期間に何を考えていましたか?」と。今回はこれだけで十分な気がした。
会場につくと、今季途中からリバプールのミックスゾーンに入室できる人数に制限が設けられていると知った。この試合に取材に訪れた邦人記者は5人。そのうち、2名が入室を認められた。リバプールの広報から「取材に来ている方々で談話をシェアしてください」と伝えられる。私は今回遠慮し、制限のある取材エリアで次回、担当することにしてもらった。
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そして囲み取材の前に、通信社の特派員と軽く打ち合わせをする。W杯組み合わせ抽選や、怪我の詳細など、取材陣には聞きたいことが山程あった。しかしこれまでの筆者の取材経験から、特派員の方にこう伝えた。「おそらく三笘選手は、W杯と怪我については多くを語らないかもしれない。質問する場合、囲み取材の最後の方がいいかもしれません」と。そして、私の聞きたいこととして、先述の質問を託した。
「W杯どうこうではなく…」
結論から言うと、私の予想はひとつが外れ、もうひとつが当たった。外れたのは、怪我について。思いの外、三笘は詳しく話してくれた。2カ月半も実戦から離れていたので、ファンが心配するのは当然のこと。そのあたりを、本人も考慮したように思った。
日本代表MFによると、故障箇所は「左足首」。ただ監督が「チェルシー戦の前に負っていた」と説明したが、実際はチェルシー戦で痛めたという。本人は「もう少し早く復帰できるかなというところで、なかなかうまくいかない、ということの連続でした」と言う。
復帰間近と伝えられながら、ヒュルツェラー監督は「痛みが引かない。違和感があるようだ」と明かし、復帰が先送りになったこともあった。三笘が「うまくいかないことの連続だった」と明かしたように、“治りそうで治らない”不可解な怪我であったことも長引いた理由のひとつだったようだ。
もうひとつの「W杯」については、三笘は“自身と距離を置くスタンス”を貫いた。

