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甲子園の風BACK NUMBER
《京大・阪大合格者も輩出》偏差値70“大阪の公立進学校”野球部が秋大会で躍進のナゼ「練習は2時間だけ」「グラウンドは共用」でも…強さの秘密は?
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沢井史Fumi Sawai
photograph byFumi Sawai
posted2025/12/16 11:02
センバツの21世紀枠候補として大阪府から推薦も受けた生野高校。府立の進学校ながら近年は野球部の活躍も目立つ
そんな生野高校だが、実は部活動も盛んだ。グラウンドを見渡すと両手で数え切れないほどさまざまな部活動の生徒が練習にいそしんでいる。陸上競技や男女のソフトテニス、柔道など近畿大会や全国大会に出場している部活も多い。
「ここ数年ずっと言っているのは、生野高校で一番応援されるクラブになろうと。誰からも応援されるようなクラブをずっと目指しています」(吉村監督)
今秋の大阪大会では、激戦区の大阪で公立校ながらベスト16まで進出した。そんな実績もあって上述のように21世紀枠にも推薦されたのだ。
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4回戦では春夏計14度の甲子園出場経験のある強豪・関大北陽を5-4で破っている。背番号9で投手も務める松本真(2年)が完投し最後はサヨナラ勝ちしたが、吉村監督はその戦いをこう振り返る。
「出来過ぎでした。4回に3点を勝ち越されたんですけれど、“3点差ならいける”と生徒たちは言い合っていたみたいです」
練習時間は2時間、グラウンドは共用…躍進のワケは?
学校のグラウンドは敷地の広さこそあるものの、外野まで含めた全面を使えるのは水曜日のみ。月、木、金の練習はダイヤモンドのスペースのみをうまく活用している。水曜日はバッティング練習にフル活用するが、それ以外の曜日は限られたスペースでその時の課題に適応した練習を行う。
授業は70分×5限で、授業が終わるのは15時35分。準備などを入れれば16時頃から練習を開始。18時半の完全下校までが貴重な活動時間だ。練習時間は2時間程度と決して恵まれた環境があるわけではない。そんな中でなぜ「公立の進学校」が躍進を見せられたのだろうか?
<次回へつづく>

