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「少しグレていた」「学校帰りに渋谷で…」“フェリス卒お嬢様レスラー”桜井麻衣の意外な素顔「周りは東大や早慶…私は学年ビリ」《特別グラビア》 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2025/12/05 17:36

「少しグレていた」「学校帰りに渋谷で…」“フェリス卒お嬢様レスラー”桜井麻衣の意外な素顔「周りは東大や早慶…私は学年ビリ」《特別グラビア》<Number Web> photograph by Essei Hara

マリーゴールドで活躍する桜井麻衣。2026年1月3日には青野未来が保持する団体最高峰のワールド王座に挑戦する

「遊びも部活も学校行事も、勉強以外はですが、全てに全力で充実した学生生活を送っていました。気付いたら6年生(高3)になっていて。学校のルールで6年生になると大学受験に集中しなければならないため、部活は強制的に受験が終わるまでは休部することになるんです」

「MARCH? 受かるわけない」猛勉強で大学合格

 ここで桜井はやっと気づいた。

「友達と自分が決定的に違うのが、友達はやることはやっていた、ということ。いつも一緒に遊んでいたのに、いつ勉強していたの? っていうくらい成績がめっちゃいい。東大、早慶へ合格してて。でも、私はそうじゃなかった。中学受験してから目的がなくなっちゃって、勉強を全くしてこなかったので、60あった偏差値が30にまで落ちていて、絶望的でした。担任の先生との面談で『この成績でどうするの?』と聞かれて『“MARCH”に行きたい』って言ったら、『何言っているの! 受かるわけない』って言われて、人がせっかくやる気出して頑張ろうとしてるのになんてこと言うんだ! って思って喧嘩しました(笑)。確かに先生の言う通りなんですけど、図星過ぎてムカついて。大学受験に火がついたのはそれがキッカケ。その悔しさで、学年ビリから1年間、毎日10時間くらい勉強して奇跡的に大学に合格しました」

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 こうして桜井はフェリス女学院大学に入った。「フェリスを選んだ理由は就職率が他の大学と比べて高く、教育制度もすごくいいなと思ったから」と振り返る。崖っぷちの状態からの大逆転劇だった。

「大学時代は友達の影響もあり海外が大好きになりました。大学1年の夏に、友達が私の誕生日に韓国へ連れて行ってくれたんです。そこで韓国にハマってしまって。韓国料理やコスメ、K-POP、韓国ドラマとか色々好きになって。20回くらい渡韓しました。ある時、CAの叔母と韓国へ行ったんです。観光客が少ないコアなエリアにパックの粉を買いに行って、その後、ランチしようと思ってお店に入ったら英語も日本語も通じなくて。同じお店にいた韓国人のお客さんがたまたま日本語を話せて、通訳して助けてくれたんです。そこで一緒にランチして、お礼を言って『おすすめのエリアとかありますか?』と聞くと、『梨泰院に美味しいサムギョプサル屋さんがあるよ。よければ案内しましょうか?』って言ってくれて。夜ご飯でまた合流しました」

 桜井と韓国はマッチしたようだ。

「梨泰院は外国人が多い街で、その親切な韓国人の方の他にアメリカ人、中国人の方と私と叔母で食事しながら会話していたんですが、その時、言葉の壁を感じて。外国の方って話せる言語が多い。それに比べて私は日本語と片言の英語しか話せなくて。英語を話せる人は世界に約15億人。日本語を話せる人は約1億3000万人。もし日本語しか話せない場合、コミュニケーションの壁で人との出会いを圧倒的に狭めてるなと思って。大学ではフランス語とスペイン語を専攻していましたが、『韓国が好きなら留学してみたら?』って言われて。それがきっかけで翌年、韓国の大学に留学しました。親に相談もせず、勝手に決めて行っちゃうところも私なんですけど」

【次ページ】 なぜプロレスラーに?「女王様みたいな雰囲気で…」

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