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超絶ラリーも話題のカットマンが本音「早く終わるに越したことはない」“個性派ヒロイン”橋本帆乃香27歳が語る「相手が絶望する瞬間」「最初しんどかった」
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2025/12/08 11:02
世界ランキングは10位、国際大会で大躍進中のカットマン・橋本帆乃香
相手が絶望する瞬間も把握している
卓球は相手との距離が近く、表情や態度も把握しやすい。プレーの中で、例えば相手が絶望する瞬間、心が折れる瞬間も「なんとなく分かります」と言う。
「でも、あえてそういう素振りを見せたりする選手もいるんです。わざと『もう疲れた』って見せる選手、ほんとうにいるんですよ」
笑いながら明かす橋本は、こう付け加える。
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「今でもよく言われるのは『よく拾うね』『どれだけ打っても抜けない』『どれだけ打っても拾われる』。身長もある程度高い方ではあると思うので、相手がどれだけ打っても、動かそうとしても拾うというのが、自分自身の強みでもあります。卓球は気持ちからどんどんプレーが変わってきてしまう、気持ちの影響がすごく出るスポーツだと思います。相手にちょっとやりづらいなって思わせる部分から勝ちやすくなったりする部分がすごくあるので、そういう意味でも“やりづらい選手”でありたいなとは思います」
現代卓球でカットマンはどう戦うか?
現在、世界全体で見ると、特に男子ではカットマンが減っているという。その理由を橋本は「どうしてもパワーで崩されるということがあると思う」と分析している。
「でも、日本の中学生女子などでは今カットマンの選手が増えています。高速卓球がベースになっているので、そこを崩すためにもカットマンがいておかしくないし、頑張ってほしいです」
そんな言葉には、自負と誇りがあるようだった。カットマンたる自覚とともに歩む橋本には、目指すべき舞台がある。〈つづく〉
(撮影=平松市聖)

