プロ野球PRESSBACK NUMBER

「高卒ドラ1が2人も“わずか4年”で戦力外通告」ホークスOBが語る「正直驚いた」風間球打(ソフトバンク)&森木大智(阪神)…「戦力外“早期化”のウラ側」 

text by

遠藤修哉

遠藤修哉Naoya Endo

PROFILE

photograph byJIJI PRESS

posted2025/12/01 11:04

「高卒ドラ1が2人も“わずか4年”で戦力外通告」ホークスOBが語る「正直驚いた」風間球打(ソフトバンク)&森木大智(阪神)…「戦力外“早期化”のウラ側」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2021年ドラフト1位でソフトバンク入りした風間球打。4年目を終えた後、戦力外通告を受けた

 1年目に一軍で2試合に登板したが、その後は一軍のマウンドから遠ざかる。今季は育成契約となり、二軍では14試合で防御率13.81と結果を残せず、10月に戦力外通告を受けた。

 風間はノースアジア大明桜高で、高校3年時に甲子園に出場。秋田大会では最速157キロを計測、“世代最速”として大きな注目を集め、ソフトバンクからドラフト1位で指名された。背番号「1」を託された期待の右腕だったが、プロ入り後は故障やイップスに苦しみ、4年間で一軍登板はゼロ。今年は育成契約となり、今オフに戦力外通告を受けた。

「残酷なくらい数字で見える」「SBは育成が50人以上も」

 この早い見切りを、さらに加速させているのが近年の技術革新だ。

ADVERTISEMENT

「今はトラックマンやラプソードといった弾道測定器で、投球のすべてが数値化されている。ボールの回転数、回転効率、リリースの再現性、球質……。オレらの時代には感覚でしか語れなかった部分が、全部データとして可視化されてしまう。『このピッチャーの球は垂れてるな』とか、『これ以上は伸びないな』という“天井”が、残酷なくらい数字で見えてしまうんだよ」

 特に、風間が所属していたソフトバンクは12球団でも随一の巨大戦力を誇り、支配下・育成を合わせた選手数は100人を超える。

「ホークスは完全にアメリカのメジャー流の考え方。明確な数値基準があって、それをクリアできなければ、下からさらにいい数字を持った選手がどんどん上がってくるだけ。競争は熾烈だし、非常に合理的、ビジネスライクな判断が下される。NPB最大の育成選手を50人以上も抱えているわけだから、支配下枠を空けなければならないという事情もあるだろう」

 かつてはコーチの経験則や勘に頼っていた選手の評価が、客観的なデータによって裏付けられるようになった。それが、球団のシビアな判断を後押ししていることは間違いない。

「なぜ大卒社会人が優先されるのか?」

 スター選手の“価値”も、時代とともに変化している。かつては甲子園を沸かせたスター選手をドラフト1位で獲得することが、球団の営業面にも大きなプラスをもたらした。しかし、今は違うと武田氏ははっきり否定する。

【次ページ】 「“高卒4年で戦力外”が普通に…」

BACK 1 2 3 NEXT
#福岡ソフトバンクホークス
#風間球打
#阪神タイガース
#森木大智
#武田一浩

プロ野球の前後の記事

ページトップ