「近くに出たら部活を続けるわけにはいかない」“クマ問題”が学生野球に与える大打撃…球場の近くにも出没で「生徒たちの将来が変わってしまう」

「いやもう、しゃれにならないっす。そこらじゅうに出ていますから」  

　広島カープ・近藤芳久スカウトは、秋田市の郊外に居を構えて、東北・北海道地区を担当する。

「スカウトは外を動きまわる仕事ですから、怖いっすよ、ほんと！」

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　当然の真顔である。

　正月明けからの「仕事」に大きな支障が出なければいいが……と、この先のスカウト活動を心配する。

気になる選手がいても…「ビビりますね」

　他球団のスカウトもこんな話をしてくださった。

「秋田の山のほうに入ったとこにある高校に、ちょっと気になる左ピッチャーがいるんですよ、長身の。ところが、その町の周辺に何度も出没情報が出ていて。そうなると、僕らだっていくら仕事と言っても、正直、ちょっとビビりますよね」

　クマ出没情報が多く出されている秋田県のみならず、東北地方には、山間部にも高校の数はけっこう多い。市街地の高校にしても、野球部のグラウンドは山に近い場所にある場合も少なくない。

「グラウンドの周辺はなんとなく新しく出来た住宅街みたいな場所でも、山をきり拓いて造ったような新興住宅地には出ていますからね、実際」

野球場などは郊外にあることも多く、意外と近隣でのクマ目撃情報も多い　©JIJI PRESS

　スカウトが心配するのは、自分たちの仕事が制約されることばかりじゃない。 

　部活動自体が自粛や禁止など、制約が加わることで、選手たちの成長に「負」の影響が及ぶんじゃないかということだ。

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