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野球善哉BACK NUMBER
記者も驚き…西武・栗山巧42歳はなぜ「1年後の引退を表明」した? “求道者”の思いとは「来年を、追求の締めくくりとして答えにしたい」
posted2025/11/28 17:00
11月24日、来シーズン限りでの引退を表明した栗山。記者にとっても驚きの発表だったという
text by

氏原英明Hideaki Ujihara
photograph by
JIJI PRESS
記者たちにとっても驚きの発表だった、ミスターレオ・栗山巧の「1年後の引退」。その真意を、今シーズンの栗山の姿から読み解く。〈全2回の1回目/つづきを読む〉
濃密な、およそ20分間だった。
契約更改後の記者会見に設定されたその場は、急きょ“1年前引退会見”と化した。西武のベテラン栗山巧が、2026年シーズン限りでの引退を表明した。来季が節目の25年目。「追い求めてきたものの締めくくりとして答えにしたい」と決断理由を語った。
2021年に通算2000本安打を達成。求道者として知られる栗山は押しも押されもせぬ球団のレジェンドだ。1度の日本一、3度のリーグ制覇に貢献。常に主軸打者の潤滑油のような役割を果たしてきた。唯一、2008年に最多安打のタイトルを獲得したものの、その役割に徹するゆえ、数字に表れない貢献度が高い選手というのも彼が示してきた特徴の一つだった。
「衰え」や「限界」という発想はない
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それにしても、1年前に引退を表明するとはなかなか粋な選択だ。
「ファンの皆さんに、しっかりと僕のプレーを見てもらいたい。今の僕の気持ち、何か伝えられるものを見てもらいたい」
言葉はシンプルだが、ここに栗山の求道者としての姿勢が垣間見える。
現役引退というと「衰え」や「限界」といったフレーズが頭をよぎるが、栗山にはそうした発想はない。

