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日本シリーズ第5戦で柳田悠岐に被弾…石井大智“あの外角ストレート”は配球ミスだったのか? 阪神・坂本誠志郎の本音「もう1回戻れるとしたら…」 

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田中仰

田中仰Aogu Tanaka

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2025/11/20 11:03

日本シリーズ第5戦で柳田悠岐に被弾…石井大智“あの外角ストレート”は配球ミスだったのか? 阪神・坂本誠志郎の本音「もう1回戻れるとしたら…」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

阪神の正捕手が今語る、日本シリーズの敗因とは?(インタビュー最終回)

――そこで思い出すのが、日本シリーズ第5戦で柳田悠岐選手に2点本塁打を打たれた場面なんです。阪神は2-0から2-2に追いつかれました。加えて、延長11回表に野村勇選手にホームランを打たれて、敗れた。日本一を決められました。打たれた球はどちらも外角直球だった。その後、テレビの解説で「なぜ外角に投げたのか」という話がされていたんです。私もいち視聴者として、あの場面をどう考えればいいのか掴みかねていまして。そもそも外角へ球を要求したことを、「成功」と「失敗」で表現できるものなのだろうかと。

坂本 うーん……難しいですね。柳田さんに投げた石井(大智)の球は、良いコースに来ていました。野球なので、どの選択をしても、ホームランになるかもしれないし、空振り、見逃し、ファウル、ゴロ、フライ……とあらゆる可能性がある。ひとつの場面に絞るなら、どこへ投げても打たれる可能性を消すことはできません。どの選択が成功か、失敗かはわからないんですよ。

ひとつの配球に「成功」「失敗」は言えない

――あの場面で考えうるベストの選択をしてるわけですもんね。

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坂本 打たれたという結果で判断されれば、失敗と言われてしまうかもしれない。でも僕は、打たれたからあの球を選ぶべきではなかったという感覚を持っていない。内角を選んでも本塁打にされたかもしれないし、別の似た場面で外角に投げたら抑えられるかもしれない。ひとつの打席、ひとつの配球に「成功」「失敗」は言えないんです。その意味でも、打たれたから間違いだった、という結果からの判断は違うんじゃないかと思います。

 とはいえ、それは、試合を噛み砕いてもう一度検証することを放棄するというわけでもない。もっといえば、結果から見て、成功と失敗、正解と不正解という表面的な判断をすると、真の意味で反省できないと思うんですよ。それでは人間として成長できないじゃないですか。

――絶対的な「正解」はないけど、「正解に近づく努力」は必要。

坂本 限りなく正解に近づこうとすることは、これからの野球人生でも変わりません。例えばあの場面、僕が石井に何かジェスチャーで伝えていれば変わったのか。どうすれば抑えられる可能性が高かったのか。そもそもなぜ、あの場面に至ったのか。そう考えることで、次に生かせると思うので。

【次ページ】 「やり直すとしたら、あの場面です」

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