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核心にシュートを!BACK NUMBER
「どう思います?」堂安律から逆質問…サッカー日本代表W杯への重要論点「3バックの攻撃的WB」が“DFラインの仕事もしなきゃ”問題を尋ねると
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ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/11/14 11:05
ブラジル戦、攻撃面で威力を放った中村敬斗と堂安律のウイングバック。同時に守備面での論点がある
「今回は最終ラインを5人でカバーできたけど、次のW杯では4人で守れるようにしないといけない」
本大会までの実戦機会は残り6~7試合のみ。その中でガーナ戦を3-4-2-1で戦う以上は、これが本大会の基本布陣となるのだろう。
シャビ・アロンソ監督も用いる“攻撃的WB”
その上で、日本のシステムには特殊性がある。WBに守備や上下動を繰り返すタイプを置くのではなく、ゴールやアシストなど得点に絡める能力のある選手を起用している。堂安律、三笘薫、中村敬斗らがそうだ。
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これには明確なモデルがある。それが、2023-24シーズンにブンデスリーガを制したレバークーゼンだ。シャビ・アロンソ(現レアル・マドリー監督)率いるチームがヨーロッパリーグでウェストハムを倒したホームゲームを、森保監督は現地で観戦した。現システムの採用は、ヨーロッパ視察を終えた直後から取り掛かっている。
当時のレバークーゼンの強みは、WBにあった。リーグ戦での成績は以下の通りだ。
左WBグリマルド:10ゴール15アシスト
右WBフリンポン:9ゴール9アシスト
戦術的に中央の守備が固められている現代サッカーでは、逆サイドからのクロスにサイドアタッカーが合わせる形が増えている。だから、WB2人がこれだけの成績が残している。昨シーズン、三笘と堂安が、所属クラブでサイドのポジションで10ゴールを記録したのも、現代のトレンドと無縁ではない。
ブラジル戦2点目と失点シーンに同居するもの
先月のブラジル戦、日本の2点目がそうだった。
右サイドでの堂安と伊東純也の連係を起点にしたクロスに対して、シュート能力が高い中村が左WBにいたからこそ生まれたゴールだった。
一方で、あの試合では課題も出た。
1失点目の場面、中村はサイドラインぎりぎりまで開いた選手についていくべきではなかった。その様子を久保建英がハーフタイムに助言するシーンもJFAのYouTubeコンテンツ「Team Cam」で確認できる。

