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「記憶に残る選手になれるように」ドルーリー朱瑛里(17歳)が“東大超え”アメリカ超名門校へ…貧血から“完全復活”で「田中希実独走」の背中を追える? 

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別府響

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posted2025/11/14 06:00

「記憶に残る選手になれるように」ドルーリー朱瑛里(17歳)が“東大超え”アメリカ超名門校へ…貧血から“完全復活”で「田中希実独走」の背中を追える?<Number Web> photograph by AFLO

9月に行われたU20日本選手権の1500m決勝では積極的にレースを引っ張ったドルーリー朱瑛里(津山高)。貧血によるスランプから復活しつつある

 そして駅伝シーズンに入った11月2日に行われた岡山県高校駅伝では、エース区間の1区6キロを19分16秒で走破し、区間賞を獲得した。もちろん駅伝はコースの問題もあり、タイムだけで単純な比較はできないとはいえ、これは全国で見てもトップクラスの記録である。

 チームは駅伝強豪校ではないこともあり、年末の都大路でその走りを見ることはできないが、「完全復活」を印象付けるには十分な走りでもあった。ようやく長いトンネルを抜けつつある中で、いい形で新天地へとむかっていけるのではないだろうか。

 近年の日本女子中距離界は、田中の独走状態が続いている。

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 一方で今の10代選手には、ドルーリーと同い年で800mの日本記録保持者である久保凛(東大阪大敬愛高)をはじめとして、U20世界選手権1500mで6位入賞の経験を持つ前述の澤田や、今夏のインターハイ1500mで久保に次ぐ日本人2位に入った芦田和佳(立命館宇治高)など、田中の高校時代の記録を上回り高校歴代でも上位に入るようなタイムを記録する原石が続々と登場している。

「記憶に残る選手になれるように」

 今回、ドルーリーは海外大への進学という道を選んだが、それぞれが様々な環境で切磋琢磨することで女子中距離界のブレイクスルーも決して遠くはないのかもしれない。

「速いだけではなくて、応援されるような、記憶に残るような選手になれるように頑張りたいと思います」

 上述のGGPのレース後にはそんな風に語っていたドルーリー。「黄金世代」の旗手として、果たしてヒロインの第2章にはどんな物語が紡がれるのだろうか?

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