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「記憶に残る選手になれるように」ドルーリー朱瑛里(17歳)が“東大超え”アメリカ超名門校へ…貧血から“完全復活”で「田中希実独走」の背中を追える?
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別府響Hibiki Beppu
photograph byAFLO
posted2025/11/14 06:00
9月に行われたU20日本選手権の1500m決勝では積極的にレースを引っ張ったドルーリー朱瑛里(津山高)。貧血によるスランプから復活しつつある
一方で、そのU20アジア選手権後の昨年夏頃からは徐々に貧血の影響が顕著になりはじめたという。
昨年は初出場ながら1500mで決勝進出と7位入賞という結果を残した日本選手権でも、今年は予選落ちに終わるなど、今季に入って右肩上がりだった成長曲線に初めて陰りが出始めていた。
本人も今年5月のゴールデングランプリ(GGP)のレース後にはこんな苦しい胸中を吐露していた。
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「貧血というところで(血液の)数値が安定しない部分があったりして、なかなか自信をつけるような練習ができなくて……手ごたえを感じることができない部分が多かったです。でも、少しずつ改善してきているとは思います。体力もそうなんですけど、スピードの面の部分でも課題が残っているので、そこを強化しながら頑張っていきたいと思います」
7月に高校最後の大舞台となった広島インターハイでも1500mで21位、800mで9位と、本来の潜在能力からすれば明らかに不完全燃焼の結果となった。
昨年から苦しんだ貧血…徐々に復調の気配が
ただ、「去年は体重がすごく落ちたりとか、食事の面だったりメンタルの面だったり、すごく苦労をした1年間だったので。そこから自分をまたひとつ見直すきっかけになった」と本人が振り返るように、そこから少しずつドルーリーは復調を見せる。
9月に行われたU20日本選手権の1500mでは予選をトップ通過。決勝でも終始、先頭を引っ張る積極的なレースを見せると、久しぶりに4分20秒を切る4分18秒31をマーク。結果こそ3位だったものの、レース展開を考えればタイム以上の強さを見せた。

