箱根駅伝の「絶対王者」青学大に“ある異変”…異例の「強すぎるエース」依存から脱却に必要な条件は？ 原晋監督は「歴代でもナンバーワンの選手」 

　今季はこれまでとは全く違った陣容で2つの駅伝を戦ってきた。『朝日にかける大作戦』が不発に終わったように、現状は黒田朝日頼みのチームであるのは否めない。黒田に続く、準エース格、そして次代を担う選手の台頭が待たれている。

　ただ、明るい兆しはある。

　全日本では飯田が6区区間賞の好走を見せ、出雲3区10位から見事に挽回してみせた。

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　全日本の1週間後の世田谷246ハーフマラソンでは、佐藤愛斗（2年）が、終盤に上りがある難コースで1時間1分57秒の好記録をマークし3位（学生2位）。その他、平松享祐（3年）や全日本で1区を走った榅山一颯（1年）ら5選手が1時間2分台で走った。

潜在能力の高い下級生は、頭角を現せるか？

　前半戦、関東インカレなどで活躍した安島莉玖（2年）は、夏合宿の終わりに故障し出遅れていたが、ようやく戦線に復帰している（世田谷246ハーフは練習の一環で出場し、1時間10分台だった）。

　さらに、同日の宮古サーモン・ハーフマラソンでは、折田壮太（2年）が、こちらも起伏ある難コースで初ハーフながら1時間2分51秒で優勝を飾った。出雲は2区10位と不本意な結果で終わっていただけに、名誉挽回の足がかりとなりそうだ。

初出場となった出雲駅伝で2区を任されたものの区間10位と失速した2年生の折田壮太　©Satoshi Wada

　もともと力のある選手たちが、着々と調子を上げてきている。世田谷や宮古では“このままでは終われない”という選手たちの気概が走りに現れた。

“黒田頼み”ではなく、全日本で果たせなかった“黒田を活かす”駅伝ができた時、箱根では9度目の栄光がぐっと近づくだろう。出雲と全日本は久々に「らしくない」駅伝になったが、やはり青学大は侮れないチームだ。