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「延長18回死闘でスイカを」MLBブルージェイズで愛された日本人栄養士が明かすWSウラ話…ガウスマンが最後にくれた言葉「みんな君が大好きだよ」
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杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byDaisuke Sugiura
posted2025/11/10 11:46
ブルージェイズで管理栄養士を務めた讃井友香さん。これまでの経歴やワールドシリーズを戦った選手たちとの秘話を明かした
ポストシーズン中は選手の世話だけではなく、シーズン中にはないファミリーフライト、ホテルでの子供用の食事まで手配した。長時間に及ぶ激務をこなし、最後まで完遂できたのは、持ち前のコミュニケーション能力の高さ、気立ての良さに加え、日本人らしい細やかさもあればこそだった。
生まれはオハイオ州だが、ホンダのエンジニアを務める父の仕事で幼少期から日米を転々。オハイオ州立大で医療栄養学を学び、東京五輪では7人制ラグビーの米国代表を栄養士、通訳としてなどさまざまな面でサポートした。その後、米球界入りしてブルージェイズ昇格1年目でワールドシリーズ進出に貢献。前の栄養士が転職したために3月に急遽メジャー昇格という慌ただしいシーズンの中で、地区最下位→地区優勝という“ミラクルラン”を継続したチームを助けるために懸命の努力を続けてきた。
プレーオフではシリーズのたびに開始前のセレモニーでスタッフの一員として紹介を受け、「すごいなと思いました」と感激。本当にさまざまな経験を味わった2025シーズンが讃井さんにとって忘れられない1年になったことは間違いない。
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そんな波乱の日々の中で、ブルージェイズの選手たちもさまざまな形でコンディショニングを助けてくれる“日本人ルーキー”に感謝を捧げてきた。
感謝の声と最高のプレゼント
マイナー時代から成長を助けた新人左腕メイソン・フルハーティは自身のメジャー昇格後の5月、“感謝のプレゼント”にマッサージを予約してくれた。試合当日の食事が苦手で、二人三脚で十分な栄養を取る術を模索してきた控え捕手のタイラー・ハイネマンはレギュラーシーズン終了後、「本当にいろいろありがとう」とサンキューメッセージカードを贈ってくれた。そして、チームのエース的存在だった好漢ケビン・ガウスマンからは1年の最後に忘れられない言葉を受け取った。
「もともと私は3月、スポット(退職した前任者の代役)で入ったんです。ガウスマンは“スポットで入ったわけだからそんなにイージーな役割じゃないとみんな思っていた。でも本当にすごく良くしてくれてありがとう”って。“みんなが君のことは大好きだよ”みたいなことを言ってくれたんです」



