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視聴率20.7%の激闘ドジャース「僕はヤマから学べた」“山本由伸大好き”スネルも大谷翔平もグラスノーも佐々木朗希も…PS制圧の決定的証明 

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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photograph byDaniel Shirey/Getty Images

posted2025/11/09 11:00

視聴率20.7%の激闘ドジャース「僕はヤマから学べた」“山本由伸大好き”スネルも大谷翔平もグラスノーも佐々木朗希も…PS制圧の決定的証明<Number Web> photograph by Daniel Shirey/Getty Images

ポストシーズンで印象深い戦いを見せたドジャース。スネルや山本由伸らは圧巻の働きだった

 打線が爆発して連勝したレッズ戦だが、この時点からスネル(7回4安打2失点9奪三振)と山本(6.2回4安打2失点9奪三振)のWエースが安定していた。2人をリードで支えたのが捕手ロートベット。PSが進むと本来の正捕手スミスにポジションを譲ったが、第2戦では2安打2得点で山本を援護。さらにワールドシリーズで苦しんだベッツも5打数4安打3打点を放っていた。

大谷が苦しんだフィリーズ戦、由伸スネル朗希が

 続くナ・リーグ屈指の強豪フィリーズとの地区シリーズ(NLDS)はどうだったか。

〈NLDSフィリーズ戦〉
第1戦○5-3
Player of the Game テオスカー +46.5%
Top Performers 大谷
第2戦○4-3
Player of the Game スネル +37.8%
Top Performers スネル、マンシー
第3戦●2-8
Top Performers エドマン
第4戦○2-1
Player of the Game 佐々木 +37.3%
Top Performers グラスノー、佐々木

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 フィリーズはエースのサンチェスらを筆頭に、徹底的な大谷対策を講じて主砲封じに成功した。とはいえ大谷は6回3失点とゲームを作って、勝ち投手となった第1戦の働きを評価されている(それ以上に逆転3ランのテオスカーのWPAが高いのも興味深いが)。第2戦で再び相手打線を制圧したスネル、そして第4戦で圧巻の3回パーフェクトリリーフを見せた佐々木が選ばれているのも、当然といったところか。

 続く対戦相手は、レギュラーシーズンでは0勝6敗と1度も勝てなかったブルワーズだった。ポストシーズンでは4連勝とスイープしたが、その中で目立ったのは誰だったか。

ブルワーズ戦:スネルの「+56.3%」が凄まじい

〈NLCSブルワーズ戦〉
第1戦○2-1
Player of the Game スネル +56.3%
Top Performers スネル、フリーマン
第2戦○5-1
Player of the Game 山本 +35.8%
Top Performers 山本、K・ヘルナンデス、テオスカー
第3戦○3-1
Player of the Game グラスノー +26.8%
Top Performers グラスノー
第4戦○5-1
Player of the Game 大谷 +34.5%
Top Performers 大谷、スミス

 第1戦、息詰まる投手戦でスネルは8回1安打10奪三振の快投を見せた。そのWPAは「+56.3%」で、第4戦で場外弾を含む3本塁打、投げては6.0回2安打10奪三振と完璧な二刀流を見せた大谷を上回る結果に。これは〈接戦になるほどWPAは上がりやすい〉傾向とも言える。

スネルが語った「このグループの一番いいところ」

 ここまでの10試合中7試合で大谷、スネル、山本、グラスノー、さらに佐々木と剛腕投手5人衆が「Player of the Game」に選ばれている。彼らが相手打線を制圧したことで、リリーフ陣というドジャース最大の不安要素を覆い隠した感があり、WPAはその決定的な証明と言える。

 その中でも特に3登板全てで好投したスネルが、WS進出の立役者と言って過言ではないだろう。

【次ページ】 スネルが語った「このグループの一番いいところ」

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