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「タケならビルバオにもらっていいよ」日本代表招集・久保建英に“不満気”少年ファンも本音ポツリ…ダービーで宿敵の心を折った決定的瞬間

posted2025/11/07 11:06

 
「タケならビルバオにもらっていいよ」日本代表招集・久保建英に“不満気”少年ファンも本音ポツリ…ダービーで宿敵の心を折った決定的瞬間<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

バスクダービーで戦線復帰した久保建英。日本代表11月シリーズへの招集も決まった

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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Daisuke Nakashima

 11月1日、バスクダービー撮影のため、スペイン北部バスク州サンセバスチャンを訪れた。日本代表11月シリーズに招集されたMF久保建英が所属するレアル・ソシエダと、アスレティック・ビルバオ。

 バスクサッカーを代表する2クラブの戦いは、スペイン内でも特に屈強な特徴を持つ男たちのプライドをかけた争いが見どころだが、今なおそのルーツが謎に包まれていると言われる民族としての繋がりから、最も友好的なダービーとしての側面も持つ。

タケならビルバオにもらってもいいよ

 カップルや友達の片方が青白のストライプを、もう一方が赤白のストライプを纏いながらも楽しそうに観戦する。そんなファンの姿をスタジアム内外で多く見つけることができる。

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 ビルバオからダービーを観戦するためにやってきたという親子に声をかけてみた。サンセバスチャン出身の父親は青白のユニホームを、ビルバオで育つ息子は自然と赤白のユニホームを選ぶようになったという。

 現地取材を続けていると、特に現地少年ファンからの久保への強い人気を感じるが、ビルバオファンの少年の目に久保はどう映るのか、気になって聞いてみた。

「うーんそうだね、悪くはないよ」
「でもドリブルの怖さは本物だと思う。ソシエダの選手は必要ないんだけど、Takeならもらってもいいよ」

 やや不満気に答えてくれるその表情からは、ビルバオファンとして、ソシエダ選手を褒めたくない気持ちと、少年の純粋な心の葛藤が透けているようだった。

アップに向かった久保にサポーターが拍手を

 あいにくの空模様ではあったが、キックオフ前のピッチでは伝統舞踊が踊られ、ゴール裏席から焚かれた青と白の煙が上空を包み、ダービー独特の空気感を作り出していった。

 ただ満員のファンが作り出すこの雰囲気の中に姿を現した先発イレブンの中に久保の姿はなかった。9月の日本代表戦で受けた足首の負傷が影響し、公式戦のここ3試合で招集外となっていた。直近の練習では復帰した姿が見られ、また監督による前日会見でも、この試合へのゴーサインは出ていたがベンチスタートとなった。

【次ページ】 復帰早々、いきなりの躍動ぶり

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#久保建英
#レアル・ソシエダ
#アスレティック・ビルバオ

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