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「タケならビルバオにもらっていいよ」日本代表招集・久保建英に“不満気”少年ファンも本音ポツリ…ダービーで宿敵の心を折った決定的瞬間
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中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2025/11/07 11:06
バスクダービーで戦線復帰した久保建英。日本代表11月シリーズへの招集も決まった
一進一退の攻防の中、際どい判定が取られた際には、スタッフとともにVTRを見つめる姿や、前半のうちに先発のバレネチェアが接触によりピッチ外へ出た際には、交代要員としてアップに臨む姿があった。
久保にはコーチ陣からは「お前はマダだぞ」というようなジェスチャーが示されたが、そのままアップゾーンへ向かうと、怪我から復帰の久保にサポーターから大きな拍手が送られた。
コーチ陣の仕草からは、久保の起用には、事前に決められたプレータイムの制限があるように感じられた。
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久保の万全を期すための采配だが、代わりに出場していた今季加入のゲデスの状態が上がってきていることで、チームとしてより慎重に久保の復帰を目指すことができている。そして38分、ブライス・メンデスが先制点を奪うと久保はトレーナーと抱き合いゴールを祝った。ただ直後の42分に同点ゴールを奪われ、前半終了を迎えた。
復帰早々、いきなりの躍動ぶり
後半が始まると、久保もアップゾーンへ向かって、途中出場への期待を高めた。
47分、ブライスのパスを見事にコントロールしたゲデスがそのまま右足アウトサイドで蹴り込み、再度リードを奪い返す。スタジアムの空気が盛り上がる中、63分、ゲデスとの交代で公式戦4試合ぶりの復帰を果たした。
早速パスを引き出した久保は果敢にドリブルで突破を図ると、かわした後に足を引っ掛けられてイエローカードを誘発した。直後にも中に切り込んだ久保が中央のソレルへとパス。ソレルのシュートが弾かれたボールをボックス内で拾い返した久保が、冷静に体勢を整え中央へパス。フリーで飛び込んだオヤルサバルは届かなかったが、ファーに詰めたザハリャンがゴールへ押し込んだ。
久保はゴール裏席へ向かい両手を広げガッツポーズを示し、そして仲間たちともみくちゃになりながら追加点を喜んだ。
撮影できた“1枚の印象的なシーン”とは
サッカーの写真を撮っていると、思うようにいかないことが多々ある。
良い写真を撮りたいと様々なスタジアムへ飛び回るが、選手の良い表情と自分の選んだ撮影ポジションが合致することは中々ない。誰がゴールを決め、歓喜の選手がどの方向に雄叫びを上げるのか予測することはできない。
久保の復帰戦になるだろうと訪れたダービー、目の前で両腕を掲げた久保の姿、雨に打たれながらの撮影の甲斐あったと心の中でガッツポーズだったが、残念ながらVARのオフサイド判定で取り消されてしまった。
ただ、その後の久保のプレーも撮り応え十分なものだった。







