プロ野球PRESSBACK NUMBER
「お前がマリーンズを引っ張れ」ロッテ・サブロー監督が“背番号86”を選んだ理由…恩師の言葉を胸に「昭和と令和の融合」厳しい練習の真意
text by

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2025/11/05 11:01
今秋からマリーンズの指揮をとるサブロー新監督
テーマ「厳しさ」に込めた思い
10月29日から宮崎県都城市でスタートした秋のキャンプでは、「厳しさ」をテーマとした。恩師のキャンプを思い返した。「厳しかったことしか覚えていない」とサブロー監督。脳裏に残るのは夜遅くまで徹底的にバットを振った記憶だ。宿泊先のホテルの食事会場での食事は夜8時までと決まっていた。真っ暗になるまでバットを振って、ギリギリの7時50分くらいにヘトヘトになってホテルに戻る。慌ててユニホームのまま、会場に駆け込み、食事をかき込むような毎日だった。
「今の選手たちにとってキャンプはそんなに厳しいという意識はないと思う。楽しそうにも見える。オレは現役時代、いつもキャンプが嫌だった。オフが終わってキャンプが始まるのが嫌。そういう時に限って時間は早く過ぎる。『もうキャンプかあ。嫌だなあ』という感じ。もちろん、楽しんでもらってもいいけど、厳しい練習の中で楽しんで欲しい。質と量の両方を求めていく」
厳しさを乗り越えた時、限界を超えた先でしか手に入らないものがある。それがなにか。若い選手たちには、それぞれで自ら体験することで見つけて欲しいと願い、野手には徹底的にバットを振らせることを義務づけた。1日1000スイングほど。すべてフルスイングで。最低でもキャンプ期間で1万スイングを目標数値に設定した。朝の早出練習から始まり、全体練習を終え、室内での打ち込みまで。濃いメニューを課した。妥協なき時間設定だ。
「福浦とサブロー」若き日の姿に重ねて
ADVERTISEMENT
「練習の中で心身ともに成長して欲しい。やり切った達成感や自信。そういうのもいいプレーにつながっていく」とサブロー監督。そして「疲れ切った時のスイングというのは変な力が抜けて無駄なく振れたりする。その感覚を掴んで欲しい」と秘訣を口にした。だから振り込み量をこなしたあと、全力でさらに5スイングを課す。その振りにこそヒントが隠されている。無駄のない理想の形が見える。そういう成功体験を元に熱い指導を繰り返す。
グラウンドで汗を流す2人の若い選手の姿には若き日の自分と福浦和也二軍監督の姿を重ね合わせることもある。リーグ最多二塁打を記録したルーキーの西川史礁外野手と、今シーズン11本塁打を放ちオールスターでは4番でスタメン出場を果たした山本大斗外野手。ともに今年ブレークのキッカケを掴んだ。
サブロー監督と福浦二軍監督はともに高卒でプロ入り。年齢は福浦二軍監督が一つ年上だ。いつも一緒にいた。寮生活をしていた頃はよくサブロー監督の部屋に遊びに来た。福浦二軍監督の部屋は当時の寮長の隣。だから、自ずとこの部屋に集まった。時には本人が留守でも部屋に入って、くつろいでいた。そういう仲だった。


