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「お前がマリーンズを引っ張れ」ロッテ・サブロー監督が“背番号86”を選んだ理由…恩師の言葉を胸に「昭和と令和の融合」厳しい練習の真意
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梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2025/11/05 11:01
今秋からマリーンズの指揮をとるサブロー新監督
ビデオテープを何度も巻き戻して…
部屋では一緒にお笑い番組などのテレビを見ていたが、野球の話をよくした。打撃の話が中心だ。「ああでもない、こうでもないってよく議論をぶつけあっていたよ」と福浦二軍監督は懐かしむ。寮では食事を終えると二人で歩いて5分くらいのところにある室内練習場に向かった。室内の電気をつけ、交代で投手役を務めて打った。いつまでも打った。そしてフォームの改善点を繰り返し話し合った。
サブロー監督は振り返る。
「ここをこうすればいいんちゃうかとか、ああしようとか。そういう話を室内で延々としていた。それはお互い一軍の選手になってからも続いた」
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そんな2人の姿を見ていた山本功児監督は、相乗効果を期待するように起用してくれた。打線の中心としてチームを形成していった。そして一軍でも毎日のように試合後に2人は反省会をした。ホーム球場でも遠征先ホテルでもビデオルームにこもり、フォームチェックを繰り返す。
まだビデオテープの時代だ。何度も巻き戻しと一旦停止を繰り返しながらポイントチェックを行った。不思議と自分の事よりもお互いの事の方が分かった。長い付き合い。室内で投げ合ってきたからこそ誰よりもお互いのフォームの良さと理想形を理解していた。そうやって助け合いながら打撃を磨いていった。
「マリーンズを愛しています」から9年
だから西川と山本にも「お互いの打撃で気になることがあったら、聞け。指摘してあげろ」とサブロー監督(当時ヘッドコーチ)はシーズン中にアドバイスをした。それは自分たちの姿とダブることがあったから。いつも一緒に練習をし、誰よりもお互いのことを熟知している。最良のヒントを出せる存在だから。切磋琢磨しながら、意見を交換しながら一緒に成長して欲しいと願う。
「マリーンズを愛しています」
2016年の現役引退会見で涙ながらにそう語った熱血漢は一軍ヘッドコーチから一軍監督になった。熱血漢の恩師から「チームを引っ張れ」とメッセージを送り続けられた若者は49歳で、タクトを振る立場になった。

