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「考え方ってひとつじゃない」ドラフト7位でプロ入り→10年目で最多安打のタイトル…ある遅咲き選手の“気づき”とは? 本人が明かす「下剋上のワケ」 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byNanae Suzuki

posted2025/11/02 17:04

「考え方ってひとつじゃない」ドラフト7位でプロ入り→10年目で最多安打のタイトル…ある遅咲き選手の“気づき”とは? 本人が明かす「下剋上のワケ」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

ドラフト7位でのプロ入り当初から守備での評価は高かった楽天の村林一輝。加えて近年は打力の向上も著しい

 打撃不振からの脱却により、村林が様変わりすることとなるのが第二段階である。

 23年にシーズン途中からショートのレギュラーを勝ち取り、打率を2割5分6厘まで上げられた背景には「逆転の発想」があった。

「考え方ってひとつじゃない」…村林の“気づき”

 きっかけは、当時二軍打撃コーチだった今江敏晃からの助言だといわれている。

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 例えば「バットは上から振り下ろすもの」というような画一的な考えにとらわれず、球種やコースによっては下から出したほうが的確にボールを捉えられることだってある――そういった思考法を学ぶことで、村林のバッティングに柔軟さが備わるようになった。

「すべてにおいて考え方っていうのはひとつじゃないってことですよね。何にしても『こう』ではなくて、違う見方をすることも大事だと思えるようになりました」

 23年のパフォーマンスによりチームからの信頼を得た村林は、翌24年に初の開幕スタメンに選ばれ、自己最多の139試合に出た。「レギュラーになった」という成功体験は村林にとって慢心の誘因とはならず、むしろさらなる貪欲という第三段階への布石となる。

 この第三段階は今シーズンに訪れた。

 背番号はプロ入り直後から身に付けていた「66」から「6」へと変わった。それは、村林が主力になっていくだろうと期待を込められている証でもあったが、レギュラーの確定という約束手形と同義とはならない。

 守るより、掴み取る。

【次ページ】 村林の中にある「ブレない気持ち」の中身は?

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