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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「体重が急に10キロ近く減って…」原因不明の難病と闘った“関西学生リーグ首位打者”が直面した「ドラフト指名漏れの現実」…それでも「2年後に絶対、1位で」
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph byFumi Sawai
posted2025/10/30 11:01
今秋の関西学生リーグで首位打者を獲得した近畿大の野間翔一郎。ドラフトでは悔しい指名漏れとなったが、実は今季はある病と闘っていた
何とか病を克服し、チームに合流したのはゴールデンウィーク頃の5月上旬。そこからまず体力回復に努め、5月中旬の関学大戦から何とか復帰し、リーグ優勝後の6月の全日本大学選手権では「3番・左翼」で2試合にスタメン出場した。
それでもやはり春のリーグ戦は心残りなことばかりだった。
だからこそ秋のリーグ戦は、一心不乱にやるしかないと開き直った。秋は開幕戦から猛アピールを続け、9試合で32打数13安打、打率.406を残し、激戦の関西学生リーグで首位打者、外野手のベストナインも獲得した。
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最後の最後のシーズンで結果を残し、大学野球を“有終の美”で終えた。
病を克服し首位打者に…それでも遠かった「プロの世界」
だが、野間はこの秋に“夢”を叶えることはできなかった。
野間を含め4人の選手がプロ志望届を提出した近畿大で指名を受けたのは、広島から3位指名を受けた勝田成、楽天から7位指名を受けた阪上翔也の2人だけだった。
プロの世界は、それほど厳しく、ずっと遠い先にある世界なのか。
カメラのフラッシュを浴びながら勝田、阪上が胴上げされている光景を少し離れた場所から眺めていた野間が、ポツリとこう呟いた。
「正直なところ……この秋、少しはアピールできたとは思えても、自分を全て出し切れた試合があったかと言われたら、そうではなかったかなとも思います。4年間、やり切れたとも思えていないですし……」

