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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「信じていたんですけどね」163センチ“NPB最小選手”指名のウラ側で…ある難病と闘った選手の指名漏れ「4人がプロ志望届提出」近畿大ドラフト密着秘話
posted2025/10/30 11:00
広島から3位指名を受けた近畿大の勝田成。勝田をはじめ4人がプロ志望届を出していた近畿大だが、その結果は明暗が分かれた
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph by
AFLO
夢を掴んだ選手たちの晴れやかな表情が並ぶ一方で、ドラフト会議には時に残酷な一面も隠れている。
今年の高校生、大学生のプロ志望届数は高校生が124人、大学生が176人で計300人。実際に指名された高校、大学(国内)の選手は支配下、育成合計88人だった。
つまり、単純に計算すると3~4人に1人が指名され、残りの学生は涙を飲んだことになる。「指名漏れ」は筆者個人としてはあまり好きではない言葉だが、今年も名前を呼ばれなかった選手は多くいた。
名門・近畿大では4人の選手が吉報を待ったが…
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近畿大学では4人の選手がプロ志望届を提出し、全員が指名されれば同校史上最多とも言われていた。
だが、実際に指名されたのは広島から3位指名を受けた勝田成、楽天から7位指名の阪上翔也の2人のみだった。ちなみに身長163cmの勝田は、入団が決まれば現在のNPBで最も小さな選手ということになる。
近大の会見場ではプロジェクターでドラフト会議の様子が大きく映し出され、選手たちも一緒にその様子を見守っていた。
会場では4人が最前列に座り、周囲では野球部員や関係者らがその進展を見守っていたが、支配下選手の指名が終わると勝田、阪上は会見のため壇上へ。指名のなかった野間翔一郎、野口練の2人は席にそのまま残ったが、その表情はこちらが見る限りは穏やかなように映った。
「自分の大学4年間は、良いことよりも悔しい経験の方が多かったので、特に(この秋は)苦しい中でも最後のアピールが少しはできたのかなと思ったんですけど……。もし名前を呼ばれれば、4年間苦しんで良かったなって思えたんですけどね」

