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「信じていたんですけどね」163センチ“NPB最小選手”指名のウラ側で…ある難病と闘った選手の指名漏れ「4人がプロ志望届提出」近畿大ドラフト密着秘話
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph byAFLO
posted2025/10/30 11:00
広島から3位指名を受けた近畿大の勝田成。勝田をはじめ4人がプロ志望届を出していた近畿大だが、その結果は明暗が分かれた
2人の会見の時間も、その席で過ごした野間は率直な思いを述べた。
6球団から調査書…それでも“指名漏れ”の悔しさ
野間には6球団からの調査書が届き、複数の球団担当と面談も行っていた。もちろん、それが指名に直結するわけではないが、周囲は自分に決して関心が薄いわけではないんだと感じていた。
「待っている時間は長く感じました。(呼ばれることを)信じていたんですけどね。2人(勝田、阪上)が選ばれたことは嬉しいんですよ。でも(ドラフト会議が)終わって、自分の名前はそこになかったと思うと……やっぱり複雑ですね」
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野間翔一郎は大阪桐蔭時代から俊足巧打で鳴らした左打ちの外野手だ。
21年は春夏連続で甲子園に出場。繫永晟(中大→楽天3位)、花田旭(東洋大→中日6位)らと共に強力打線の一角を担った。
近大では1年春からベンチ入りし、レギュラーに定着したのは2年生になってから。50m5秒8の快足を売りにし、勝田や阪上らと共に下級生時から期待値が高かった。
「自分の武器は足。でも大学では逆方向にも強い打球が飛ばせるようになって、シングルヒットも二塁打にできるようになったのは自信になりました。自分はプロ一本で(進路を)考えているのでプロを目指していくだけです」
シーズンを重ねるごとにその確率を上げ、昨秋のシーズン終了後に野間はそんな話をしていた。4年生になってどんなパフォーマンスができるか注目されていた。
ところが4年生になる直前の今年3月。野間の身体に異変が起きる。連日40度を超える高熱に悩まされるようになったのだ。
<次回へつづく>

