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「偏差値70超の名門大」「高校ではクロカン部」「所属は東都3部リーグ」でも…ドラフト会議で西武が“育成6位指名” 22歳・正木悠馬「超異色の履歴書」 

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別府響

別府響Hibiki Beppu

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posted2025/10/29 11:00

「偏差値70超の名門大」「高校ではクロカン部」「所属は東都3部リーグ」でも…ドラフト会議で西武が“育成6位指名” 22歳・正木悠馬「超異色の履歴書」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

上智大学出身者として初めてNPBから指名を受けた正木悠馬。最速153キロを誇る剛腕だが、その経歴は異色のものだった

上智大としても「初のドラフト指名」

 創立112年目を迎える伝統ある大学のキャンパスの一室で開かれた会見は、どこか牧歌的で、初々しい雰囲気に包まれていた。

 実は一夜明け会見の実施が決まったのも、その前日――ドラフト会議当日の夜のことだったという。

 同大の広報担当は「本学がこういうことに慣れていなくて……連絡が突然で申し訳ありません」と苦笑していた。現場のバタバタ感が透けて見えるが、それもそのはずで、このまま正式に契約すれば正木は上智大から誕生した初のNPB選手ということになるからだ。

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 上智大の硬式野球部は、東都リーグ3部所属のチーム。東都リーグ1部や東京六大学リーグに所属して毎年プロ選手を輩出するような、いわゆる野球強豪校とは一線を画す。

 大学全体としても、スポーツよりもいわゆる受験難関校としてのイメージが強いのではないだろうか?

 当然、スポーツ推薦制度もなく、高校時代から全国大会でバリバリに鳴らした選手が大勢を占めるような環境ではない。正木が2年生の時にようやく4部から昇格したばかりで、誤解を恐れずにいえば、“弱小校”という表現が正確かもしれない。

 そんな中で突如誕生した「異例」のプロ野球選手。その背景にあった軌跡は、実に独特な轍だった。

<次回へつづく>

#2に続く
ドラフトウラ話《西武育成6位指名》最速153キロ、デッドリフトは240kg…でも所属は3部リーグ “偏差値70超”「名門大の帰国子女」はなぜプロの道へ?

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