「投手と内野手だけを指名した理由とは」ドラフト会議翌日にDeNA編成部長が明かした「優勝“しつづける”ために…来年、再来年の候補まで考えて」 

「宮下選手も非常に好青年で、北海高校時代から見てきた選手です。下級生のときからレギュラーで試合に出ていましたが、怪我で苦しんだ時期もあり、それがなければドラ1レベルの選手だったと思いますし、この秋にはいい状態であることを知ることができ、指名できてよかったと思っています。

　右打ちの内野手は貴重な存在で、打撃にはスケール感がありますし、守備も卓越していて非常にバランスがいいのが特徴です。これも余談ですけど、先ほど島田選手と話していたとき、宮下選手が『じつは面談では言ってなかったんですけど、ベイスターズに行きたかったんです』と教えてくれて、我々としても非常にうれしかったですね」

ドラフト会場に入場するベイスターズ。左端が長谷川氏　©Yuki Suenaga

27歳で悲願のプロ入りの4位・片山皓心

　4位指名は、左腕の片山皓心（Honda）。大卒社会人5年目にして悲願のプロ入り。140キロ台後半のキレのあるストレートと、抜けのよいチェンジアップを軸とした投球で三振を奪える本格派の先発投手だ。投球術に長け、完投能力の高いタイプ。またチームの中心である牧秀悟や山本祐大、入江大生らと同学年の“98世代”でもある。

ADVERTISEMENT

「片山選手はスピードガンには表れないベース盤上でのボールのキレや強さに加え、タイミングが取りづらく、コマンド（制球力）が非常にいいのが特徴で、勝てる先発ピッチャーだと判断し指名をしました。桐蔭横浜大時代から知っていますし、社会人1年目の活躍を考えれば、おそらく2022年のドラ1候補だったと思います。

　その後、怪我を重ねつらい時期を過ごしたと思いますが、コツコツと実直に努力してきた姿も見てきましたし、周辺からその様子も聞いています。その不屈の精神、姿勢というのは我々が一番評価した部分です。今年で27歳になりオールドルーキーと言われますけど、我々の見解ではまだまだ伸びる要素を残した投手ですね」

5位・成瀬脩人は社会人No.1遊撃手

　5位指名は内野手の成瀬脩人（NTT西日本）。今季、長打力を磨き、都市対抗野球予選では試合を決める一打を放つなど勝負強さが向上。俊足で軽快なステップワークとハンドリングで固い守備力を誇る。

【次ページ】　育成1位・清水詩太は甲子園で話題の高校出身