「投手と内野手だけを指名した理由とは」ドラフト会議翌日にDeNA編成部長が明かした「優勝“しつづける”ために…来年、再来年の候補まで考えて」 

「社会人ナンバー1の評価をしたショートです。守備の上手さ、肩の強さというのが成瀬選手のストロングポイントではあるのですが、逆方向に打球が伸びていくパンチ力のあるバッティングも評価しています。ただ、あまり引っ張ることができないという周囲の評価を本人も気にしていて、今季は引っ張る努力をしながらも、あまり上手くいきませんでした。

　けれども、彼の人間性を見るかぎり、それをいい失敗だと捉え、成長に必要なものだと消化できていると感じています。東海大の1年生のときはレギュラーでしたが、その後、挫折もありながらも這い上がってきたメンタリティーには非常に魅力を感じています」

　本指名は以上5名。大卒、社会人出身で内野手3名、投手2名という、狙いが明確化した少数精鋭のドラフトだった。

育成1位・清水詩太は甲子園で話題の高校出身

今年の夏の甲子園でも準々決勝に進出した京都国際高の清水詩太が育成1位　©Hideki Sugiyama

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　そして育成枠では高卒の選手がひとり指名された。未来を嘱望されるその選手は、甲子園優勝経験のある右打ちの内野手である清水詩太（京都国際高）だ。木製バットで高いレベルの投手から本塁打を量産し、しなやかなバットスイングから生まれるコンタクト力とリストの効いたパンチ力を兼ね備えている。

「清水選手は、とにかく練習量がすごい。今も夜の10時ぐらいまで練習していると聞いています。小牧憲継監督のもと厳しくも充実した野球生活を過ごしていると認識していますし、育成であっても這い上がれる意識の高さや根性、体力があることを評価して指名をしました。まだまだ線は細いのですが、あれだけ飛ばす力があるのは非常に魅力的だと感じています」

　一人ひとりの選手の指名理由を、丁寧に心を込め語ってくれた長谷川氏。その表情は新たな選手を迎え入れる高揚感がありながらも、その結果、チームを去らなければいけない選手もいることを慮り時折神妙な顔を見せた。

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