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「目標は160キロ」高校最後の夏は初戦敗戦…無名の大学からドラフト1位指名 156キロ右腕・藤原聡大“覚醒のワケ”「筋肉を知ると、自分を知ることが…」
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沢井史Fumi Sawai
photograph byFumi Sawai
posted2025/10/24 17:30
公式戦でチームメイトとハイタッチを交わす花園大の藤原聡大。今年のドラフトで楽天から1位指名を受けた最速156キロの剛腕だ
2年春後の大学選手権で152キロをマークしたストレートは投げるごとに球威が増し、3年生の夏には155キロを計測するなどリーグ内での注目度はさらに高くなっていた。
だが、ドラフトイヤーとなる今春のリーグ戦直前の3月中旬に胃腸炎と副鼻腔炎を併発し、リーグ戦序盤は制球に苦しむ試合が続いた。それでも5月4日の滋賀大戦では13奪三振で完封勝利を挙げるなど、春先からの実戦不足を感じさせないピッチングも披露した。
覚醒の理由は…持ち前の「勉強熱心さ」
何より、藤原の良さのひとつとして勉強熱心さがある。
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2年生の夏頃、身体のメカニズムに興味を持ち、チーム付きのトレーナーから筋肉について質問を重ねた。それから筋肉の使い方も意識するようになった。
「腸腰筋、小殿筋の使い方は色んな動きを積み重ねていかないと感覚が掴めないんです。今日は状態がいい、でも悪いならこうしようみたいに色んなことを試しながら動かし方を変えられるようになりました。筋肉のことを知ると、自分を知ることができるんです」
体が思うように動かない中で、どういう動き方をすれば最良のパフォーマンスができるのか。身体のメカニズムを知り、様々な可能性を見いだしながら投げ続けられたことで右肩上がりの成長曲線を描くことができた。
大学最後のリーグ戦登板となった10月14日は、佛大との1回戦だった。
佛大は同じく今秋のドラフト候補に挙がり親友でもある赤木晴哉(広島5位)も先発予定だったため、球場には11球団32人のスカウトが集結。両校の多くの関係者もスタンドを埋め尽くした。

