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獅子の遺伝子BACK NUMBER
「佐々木朗希さんとは違う…僕は結果を出してこそ」甲子園1238球“投げ過ぎ論争”の当事者は…西武・山田陽翔「ドラフト5位から新人王候補」の軌跡
text by

市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byJIJI PRESS
posted2025/10/23 11:03
今季リリーフで頭角を表し、飛躍を遂げた西武・山田陽翔
143試合を終えた今、改めて1軍で過ごしたシーズンについて尋ねてみた。
「自分の今の力では、登板する試合、すべてで三者凡退に抑えるというわけにはいかないと思っていたので、ランナーを出してからも、しっかり粘ってゼロに抑えることに意味があると思っていました。自分は150kmを超えるボールを投げるわけではないですし、何か特別、優れたものがある投手ではない分、とにかく結果で見せようと思って投げました」
「もっと速い球を…」さらなる進化へ
充実したプロ入り3年目のシーズンを終え、新たな目標も生まれた。
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「自分は、変化球は器用に投げられると思っているのですが、だからこそもっとスピードを追求したいと感じました。もし真っ直ぐの球速が150km出たら、もっと奪三振率も上がると思う。奪三振というのは一番リスクなくアウトを取れる方法なので……」
シーズン中、ファウルで粘られたり、逆方向をねらわれるケースがあった。幾度も「もっと速い球が投げられれば平良さん(海馬投手)みたいにねじ伏せることができるのに」と感じたと振り返る。
「シーズン通じて投げさせてもらったことで、調整方法やケアの仕方などもわかるようになりました。大事なのは、その日のうちに疲労をとること。自分でストレッチをして、交代浴をして、しっかり睡眠をとることで疲労を次の日に残さないようにしてきました。そういった方法は今後も続けていきたいです」
25年の成果を糧にさらに上のステージを目指そうとしている。山田の4年目のシーズンが早くも楽しみである。〈前編も公開中です〉


