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獅子の遺伝子BACK NUMBER
「え、自分?」中日→西武にトレード告げられ「急いで免許更新に…」26歳が振り返る人生の転機「人見知りが激しくて…西川愛也が声をかけてくれた」
posted2025/09/13 11:07
走塁のスペシャリストとして存在感を見せる西武・髙松
text by

市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Number Web
走塁のスペシャリストとして奮闘する埼玉西武ライオンズの髙松渡内野手。2023年7月に中日から交換トレードで移籍した際の秘話と、新天地で存在感を示したきっかけについて明かした。〈全2回の後編/前編も公開中です〉
ここぞという場面での代走でチームに貢献している髙松渡だが、これまでの野球人生で心に残っている盗塁はあるのだろうか。
髙松は即座に答えた。
「中日にいたときに阪神の青柳投手(晃洋、現ヤクルト)から走った盗塁です。青柳さんは牽制がうまい上にクイックモーションもすごく速い投手。癖を見つけたとしても、青柳さんの場合は投球動作に入ってから走っても間に合わないくらい速いんです。そんな投手から走れたことがうれしかったですね」
“超高速クイック”を破る喜び
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超高速クイックと評された青柳から盗塁を決めたのは2021年シーズンで髙松ただ一人だった。
「自分は牽制と投球の癖を見つけることができたので思い切り走ったんですが、誰もが『これは無理だろう』と思うような相手やシチュエーションで走るのが楽しいです。ワクワクしますね」
中日時代の髙松は2021年、78試合に出場し15盗塁を記録している。しかし当時は9つの盗塁失敗もあり、確率は決して高くはなかった。
「西武に来て環境が変わったことも理由の一つなのかもしれませんが、成功する確率が高くなっているのは実感しています。セ・リーグよりパ・リーグの方が打者との勝負に集中してくれるバッテリーが多い気がします」
環境の違いもあるかもしれないが、研究と分析力を磨いてきた髙松の努力の賜物だろう。

