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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
箱根駅伝“明暗分かれた”予選会…法大は「たぶん大丈夫」から衝撃の17秒差落選、“本戦出場65回”の古豪も復活ならず「ウチは来年も10位狙い」と渋い顔
text by

小堀隆司Takashi Kohori
photograph byJIJI PRESS
posted2025/10/20 11:02
箱根駅伝予選会で11位に終わり、ぼうぜんとする法政大の選手たち
3年生の冬に初めて箱根駅伝に出場したが、4区16位と結果は奮わず。今回の予選会でチームを引っ張り、2度目の本戦で納得のいく走りをするのが目標だった。
「本当にケガが多くて、下級生の頃は特に申し訳ないなって気持ちで練習に励んでいたんですけど、そんな時でも監督には優しい声がけをしていただいて、だから自分はここまで競技を続けてこられたんだと思ってます。いつも丁寧に指導していただいたので、最後に恩返しがしたかったんですけど……できませんでした」
それだけ言うと、もう後が続かなかった。
予選会落選チームでは「過去最速」だったタイム
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箱根の予選会は年々、熾烈さが増している。前回は、東農大がわずか1秒差で本戦出場を逃した。そして今回は17秒差だ。法大の総合タイム10時間37分13秒は決して悪い数字ではない。調べると、これまでの予選会で落ちたチームの中では現行コースでは最速だった。
しかも、昭和記念公園内の折り返しである17.4km地点では、まだ法大は9位につけていたのだ。残り3km余りで何が起きたのか。
坪田智夫監督が困惑した様子で語る。
「正直、私も頭の整理がついてないです。10番目の選手もそこまで悪くない順位で入ってますし、タイムも想定内。周りのレベルが高かったのか、想定が甘かったのか。まだタイムも全部見ていないので何とも言えないですね」
レース直後には坪田監督がテレビのインタビューに対して「たぶん大丈夫」と語る一幕もあっただけに、急転直下の落選の衝撃は相当なものだったに違いない。直前に部員数名がインフルエンザに罹り、ベストメンバーが組めなかったという事情はある。レース終盤に暑くなった影響もあったのかもしれない。選手も監督も言い訳はしなかったが、箱根駅伝出場85回の名門が予選会で姿を消したのは驚きだった。
法大の選手たちがうなだれるすぐそばで、もう一つの古豪もまた肩を落としていた。
<次回へつづく>

