「“5球団競合”ドラフトの目玉は…阪神へ」「ソフトバンクは誰も知らない“隠し球捕手”指名」ドラフト全指名予想《日ハム・阪神・ソフトバンク編》 

　3位・堀越啓太（東北福祉大）、4位・冨士隼斗（日本通運）。もしかしたら「160キロ」がおがめるかもしれない剛腕を2人。

　今のホークス投手陣、ちょっとやそっとの「好投手」じゃ間に合わない。イニング間の投球練習でも「156、157」の数字を表示させる堀越投手、イニング初球から「151、152」でストライクがとれる冨士投手。それぐらい、カラーの強い投手でないと、刺激にならない。

　4年生になってからの2シーズン、本当に苦しんだ。5位・尾瀬雄大（早稲田大）は、3年時の神がかったバッティングを見ていたから指名した。 

ADVERTISEMENT

　当時の尾瀬選手は、とにかく振ればヒット。それも、まっすぐも変化球も、ボールのほうからバットに吸い付いていくように見えるほど、楽々ジャストミートしていた。

　プロ志望の大学生が、4年になってバッティングを崩すことは珍しくない。ヒットならいつでものタイプが長打を打って評価を上げようとすると、体が開いてヘッドアップ。いちばんの長所のジャストミート能力が落ちて、長打にもならない。一過性の「風邪」みたいなやつだ。

　快足飛ばして、左中間、右中間をカバーできる広い守備範囲。何より、自分から練習できるひたむきさ。帝京高の先輩・中村晃選手からのありがたいご指導も期待できる。原点、本質に立ち戻ろう。

いぶし銀の社会人捕手は「誰も知らない」隠し球か

　そして、しんがりをつとめるのは、ホークスの隠し球であり、当「ひとりドラフト」取って置きの隠し球だ。

　6位・小林太郎（JR四国）。この1年間、社会人球界を見てきて、いちばん「いい匂いのする捕手」が、この2年目マスクだった。

　松商学園高、天理大。大学時代もレギュラーマスクとしてタイトルも獲得。絶対条件のスローイングのスピード、精度、捕球技術、ショートバウンド処理もさることながら、この捕手の「良い香り」は、たとえば、こんなところから立ちのぼってくるのだ。

　装束（プロテクターなどの防具）がピタリと似合って軽快に動けて、ファールの飛んだ方向へサッと顔が向き、自軍のダグアウトより相手のダグアウトに視線を注げ、投手をかいがいしくお世話する。さらにいいのは、際どいコースをしっかり止めて審判に長く見せていること。ここだけの話、審判に味方になってもらうには、捕手がまず審判の味方になることだ。

　下位を打つ小柄な打者なのに、バットを目一杯に持って、結構下半身主導で強いスイングができている。まず、真面目にブルペンをつとめて、投手たちの信頼を勝ち取るところから。誰も知らない隠し球かもしれないが、推す者として、確たる自信は持っているつもりだ。

＜ヤクルト・ロッテ・広島編／西武・中日・楽天編／巨人・オリ・DeNA編から続く＞

#1から読む

「新監督就任ヤクルトの1位は剛腕サウスポー」「ロッテ3位指名はまさかの“163cm超小兵”」ドラフト全指名予想《ヤクルト・ロッテ・広島編》

#4

「“5球団競合”ドラフトの目玉は…阪神へ」「ソフトバンクは誰も知らない“隠し球捕手”指名」ドラフト全指名予想《日ハム・阪神・ソフトバンク編》

#3

「投手力で敗れた巨人…快腕を“大量指名”予想」「佐々木麟太郎指名は…“やはり”のオリックスか」ドラフト全指名予想《巨人・オリ・DeNA編》

#2

「今年の西武は“投手の年”のサイクル？」「最下位脱出の中日は『任せて安心』の本格派右腕をドラ1で」ドラフト全指名予想《西武・中日・楽天編》

#1

「新監督就任ヤクルトの1位は剛腕サウスポー」「ロッテ3位指名はまさかの“163cm超小兵”」ドラフト全指名予想《ヤクルト・ロッテ・広島編》