「“5球団競合”ドラフトの目玉は…阪神へ」「ソフトバンクは誰も知らない“隠し球捕手”指名」ドラフト全指名予想《日ハム・阪神・ソフトバンク編》 

　逆に、チェンジになってポジションに走っていく一生懸命な後ろ姿からして、人の胸を打つのが4位・エドポロ・ケイン（大阪学院大）。

　脆さいっぱいだったバッティングもかなり理にかなってきて、打球スピードは圧巻。野球技術はこれからの勉強だが、ひたむきに頑張れる内面があれば、時間をかけて一生忘れない「ワザ」にすればよい。

　さて、投手王国の補強戦力として指名した3投手はどんなものか。ただでさえ、今年は少ないサウスポー。他球団の繰り上げ1位まで心配していた山城京平（亜細亜大）が2位の最後のほうまで残っていたのも、やはり勢いある者への追い風なのか。

ADVERTISEMENT

　一般学生にも見えるほどの体躯で、なぜ140キロ後半、どうしてこの伸び感？　外れる時は指に引っかかり過ぎた時。その「外れ方」がいい。逆のクセがあると、シュート回転してホームランボールになる。

　中継ぎの切り札・石井大智はじめ、湯浅京己、工藤泰成。独立リーグ出身者の恩恵を受け、昨年は全指名選手9人の内、5人を独立リーグの選手が占めた。

　今年は5位・斎藤佳紳（徳島インディゴソックス）を「支配下」で指名。これも、タイガースドラフトの「お家芸」になりつつある。

　天理大を中退して独立リーグに転じ3年目。今季は10勝2敗・防御率1.88の飛び抜けた成績で、独立リーグNo.1投手の評価を各球団から得ていた。

　150キロ近い速球をきめる優秀な排気量を持ちながら、力に頼らないのがコンスタントな実戦力の源だ。カーブ、チェンジアップ、フォークを丹念にきめながらアウトを重ねる。

地元・大阪桐蔭のエースは虎と相思相愛

　そして、6位・中野大虎（大阪桐蔭高）は、タイガースと相思相愛の関係で、ご縁が結ばれた。

　筋金入りのタイガース命。カタログデータから入れば、もっと大きな数字の投手は他にいるが、この投手の「闘魂」はちょっと類を見ない。「打てるものなら打ってみろ！」の気迫は、古くは村山実から始まり、藤川球児投手（現監督）にまで踏襲されたタイガースの誇るべき伝統である。その後継者が見つかった！

【福岡ソフトバンクホークス　2025年ひとりドラフト指名選手】

1位　小田康一郎　22歳　内野手　青山学院大　173cm85kg　右投左打
2位　大塚瑠晏　21歳　内野手　東海大　169cm74kg　右投左打　
3位　堀越啓太　22歳　投手　東北福祉大　184cm96kg　右投右打　
4位　冨士隼斗　23歳　投手　日本通運　180cm86kg　右投右打
5位　尾瀬雄大  22歳　外野手　早稲田大　172cm80kg　右投左打
6位　小林太郎　23歳　捕手　JR四国　174cm80kg　右投右打

【ソフトバンク　総評】

　まさに「円熟」。シーズン通して、その表現がピッタリの試合ぶりだったソフトバンク。

【次ページ】　今宮健太の後継者「打てるショート」を2位指名